オーディオ/ビデオ用PCの自作  
(Aug.16-25, 2004)  



[1]思い掛けないきっかけで始まったオーディオ/ビデオ用PCの自作。

  久し振りに秋葉原に行ってショップを見て歩いていたら、手頃なミッドタワーPCケースが六割引きで特売されているのを見つけた(約4000円!)。

  CPUを直接外気で冷却するためのダクトは備えていないが、容量350Watt の電源、4個の5in ベイと、6個もの3.5in ベイ(うちシャドウ4)があるから拡張性は充分だ。
  評判の悪い "最新高熱CPU" とギンギンのビデオカードを組み合わせて3Dゲームをしようなどとは考えず、年相応のおとなしいシステムを組むのだったら充分過ぎるくらいの入れ物で、数年の間は、さまざまな模様替えをしながら、使い回してゆけるだろうと思った。

  すぐに使う積りはなかったのだが、家に持ち帰って手狭な部屋に持ち込んでみると結構嵩張って邪魔だ。
どうも目障りで気になるので、この際思い切って一台組んでしまえ!、と決心した。





完成したオーディオ/ビデオ用自作PCのフロントパネル。

一番上段から、HD-LG GSA-4120B スーパーマルチオプチカル DVD/CD ドライブ、
2段目が、昔廃棄した IBM 製デスクトップ機から取り外した Toshiba FX600T CD ドライブ、
空きスロットの下はマニア好みのアイテム:  ATA133 リムーバブルハードディスクユニット、
3.5インチベイには、Mitsumi FA404M 6in 1 フロッピーディスク/USBカードアダプタコンボドライブ。

手前味噌ながら、64bit CPU、ダブルオプチカルドライブ、ハードディスク着脱可能という三点の大きな特徴を持つ、かなり美麗充実なシステムだ。

製作費用は、OSを含めて約100Kyen。


[2]新オーディオ/ビデオPCの仕様

  手元には、ミッドタワー2台、コンパクトデスクトップ2台、ノート3台と、人に呆れられる程の数のPCが稼動している。
全般的に高齢化が進行しているのだがお互いにLANで繋がっているので、それぞれの役割分担を定めて使い分けていれば、イライラするような状況は滅多に起こらない。
半年ほど前にはじめたLPレコードのディジタル録音など、オーディオ/ビデオ系のストリーミング処理を始めたところ、充当できたシステムでは処理能力が少々不足気味なことがわかった。

  今度の自作PCではこれをこなすのに充分な処理能力を備え、しかもできるだけ熱の発生が少ないシステムを狙ってみようと考えた。

  ストリーミング処理には、最近リリースされた90nm ルールスケール Pentium W を使うのが常道とされているようだ。
しかし、このCPUは、微細化に伴うリーク電流の増加が予想以上に大きかったため、消費電力が常時100Watt を越す程となり、発生熱の放散が大変のようだ。
安定して使うには液体冷却がベストと言われ、その例はショップに並んでいるメーカ製PCの一部や、マニアショップのショウケースで見る事ができる。

  しかし、今度の自作PCではこのような液冷システムは使いたくない。
まず第一に、水で冷したからといって消費電力(=発熱量)自体が減る訳ではない!
どこかしらで強力なファンを回さなければならない訳だから、ファン騒音の問題はかえって大きくなるだろう。
また、構造がより複雑になることでコンディションの見分けが難しく故障の兆候を察知し難くなる可能性があるし、故障したときのダメージも一段と大きくなる危険性がある。

  技術屋の端くれの頭で考えた限りでは、ノートパソコン用に開発され、低消費電力なのに速いという評価がある Pentium M がベストの様に思われた。
だが、このCPUを使えるマザーボードは、非常に高価な日本製の産業制御システムMBしか出ていない。
一般MBの3〜4倍ものコストが掛かり、CPUとセットで \70〜80K もの出費になるのでは気楽に手が出せない。

  困ったなぁ、と思っていたらAMDの Athlon 64 に気が付いた。
先進の64bit CPUだが、独自の消費電力抑制機能を内蔵していて、デマンドが軽いときには自動的にクロック周波数が下がる "C'Q (= Cool & Quiet)" をセールスポイントにしている。

このCPUを使えばマザーボードと組み合わせて \30K ほどで済むし、充分な処理能力が得られそうだ。

  信用のあるメーカのマザーボード(ASUS か GYGABYTE)、ハイレゾ静止画像とそこそこの動画処理ができるビデオカード(Video Memory 128Mbyte)、充分な容量のメモリー(512Mbyte)とハードディスク(160GB x2)を組みあわせ、取り敢えずは手持ちの古いCDドライブで立ち上げるが、早期にどんなメディアでもリード/ライトOKな、スーパーマルチDVD/CDドライブ(LG-HD あたりか?)を追加し、ダブルオプチカルドライブシステムに組み上げようというちょっと贅沢な計画を立てた。


[3]予備動作試験
  ケースに組み込む前にCPU、マザーボード、メモリ、三者の相性を確認しておくと安心だ。
CPUの取説とマザーボードの説明書を注意深く参照して、慎重にCPUをMBに搭載したあと、メモリーをMBのスロットに挿入する。
CPUファンのリードワイヤーをMBのCPUファンコネクターに、電源供給ケーブルと、ケースの起動スイッチワイヤーもそれぞれMBのコネクターに繋いだあと、ディスプレイ装置とキーボードを接続。

電源ケーブルをコンセントに差し込んでケースの起動スイッチを入れると無事にBIOSが立ち上がってメデタシメデタシ。
新PCの土台になる部分はノープロブレムである事が確認できた。


[4]ケースへの組み込み
  動作確認が終わったら、MBをはじめとするもろもろのハードウエアーをケースに組み込むことになる。
順序を考え、焦らずステップバイステップで確実に取り付けてゆけば、取り立てて難しい作業ではないのだが、以下の事項には注意する。

(1)事前にMBとその説明書をジックリ見比べて、沢山あるコネクターのどれがどこにあるのか大体を頭に入れておく。
  後でどのリードワーヤーをどこに差し込めばよいか、虫眼鏡とペンライトでケースの隅を必死に覗き込むと言う、年寄りにとって辛い作業をしないで済ませるのに有効だ。

(2)マザーボードの固定は特にシッカリ行なう。
    過去に組んだ機械でマザーボードがシッカリ固定されていなかったのが原因だと思われる動作不安定を経験している。  組んだ時にはなにも問題なかったのだが、暫く使っている間に周辺機器のコネクタを抜き差しした力でMBが動き、どこかに接触しやすくなったらしく、PCを壁際に押し付け気味に置いたりすると何かの拍子で突然ダウンしてしまうような事が起こった。

(3)メートルねじとインチねじの使い分けに注意する。
    パソコンは最先端技術の塊なのにどう言う物かメートル規格のねじだけでは組み立てられず、インチねじも混用しなければならない。
特に、組み込み機器のうちでもっともデリケートなハードディスクの固定がインチねじになっている事が多い。  間違えたねじを強引にねじ込むとドライブの雌ねじが壊れてズルズルになってしまうので要注意だ。


[5]OSのインストールとハードのグレードアップ
  アクティベーションや自動アップデートなどを取り込んだがゆえにセキュリティーホールの塊になってしまった Windows XP には手を触れたくなかったので、これまで Windows 2000 以前のOSに執着していた。
  Windows 2000 で用が足りない時代が来たら Linux に移行すればよい、と割り切りっていたのだが Windows XP が普及し、その操作についていろいろ尋ねられる事が多くなった。

  問題の確認とその対策を試すのに Windows XP が稼動するPCを1台持っていないと不便だと思い始めていたので、ショップで組立用パーツを購入したときに、ハードのバンドルソフトとして Windows XP Home Edition の OEM 版を入手した。


  左は基本的なハードの組付けを終わってOSのインストールに取り掛かった時点の新PCを示す。

キーボードやマウスは適当に手持ちの物を繋いで使っている。

財布への瞬間風速的な負担を軽くするため、DVD/CDドライブと2台目のハードディスクの購入は翌月回しにしたため、まだ取り付けていない。

  OSのセットアップは初めからLANに繋いだ状態で行なった。
 ソフトウエアインストールの初期段階でLANがつながってしまえば、IMEのユーザ辞書はじめ、数多くのフリーソフトやシェヤウエアーなど、さまざまなソフト資産をニューマシンに持ち込む作業が非常に楽になるからだ。

  同じ様なやり方で TuboLinux 10D のセットアップを行なったときは、驚くほど楽にインターネットとLAN接続ができた状態で立ち上がった。

  Windows 2000 ではLANの設定の基本に則ってマニュアルでセットアップをする必要があって相応の知識とノウハウが要求された。
Windows XP ではそれがどうなっているのか、大いに興味があった。

  結果としては、予想以上にウイザードの出来が良くて、ほぼ自動的にLAN接続をはじめとするほとんどのセットアップが片付いた。


   左はスーパーマルチCD/DVDドライブと2台目のハードディスクの組み込みも終わり、ほぼ完成状態になった新PCの内部を示している。

  電線のジャングルになってしまうのは誰がやっても同じだ。

  真中にCPUファンの赤いハブが見えているが、Athlon 64 2800+ CPU は、その裏に搭載されている。
3200+ かせめて 3000+ にしたかったのだが両方とも品切れ。
その上の 3400+ はまだ30K 円を越す程の高価で予算オーバー。
2800+ ではちょっと物足りないが16K 円でコスト性能比の点では最高だった。

  3400+ も一年しないうちにリーズナブルな価格帯まで値下がりするだろう。
その時が来れば25%もの性能アップができる。
取り外したCPUを利用して既設機のどれかを改造すれば、もう一台、かなり性能の良いPCを持つ事ができる。

  ケース内部写真の説明に戻ると、右下の3.5インチシャドウベイには、2台の160Gbyte ハードディスクを収めてある。
ハードディスクは熱くなると非常に壊れやすくなるので、わざと1スロット分隙間を空けて、フロントケースファンのまん前に取り付けた。

  PCIスロット(左下の白いエッジコネクター)が一つも使われていないのはサウンド処理を外付けUSBオーディオプロセッサーで行なう事にしているためだ。
オーディオプロセッサーは、アップアップしていた Windows Me 機から引き継いだ。
(このMBは、AC97 オンボードサウンドを備えていたのだが BIOS 設定で disable した。)
  PCIスロットには、テレビキャプチャーカードを組み込んで所謂 "テレパソ" に仕立てる積りだし、さらにSCSIカードも入れて古い35mm フィルムスキャナーを繋ぐこともしようと思っている。

[6]新オーディオ/ビデオ用PCの要目
出来上がった新PCの仕様の概略を書き出すと下記の様になる。

[ハード]
MB: GIGABYTE K8NS Pro ATX
    nVIDIA nForce3 250 K8 Socket754 AGP8X/DDR 400+
CPU: Athlon 64 2800+
Memory: 512 Mbyte
HDD: 160 Gbyte X 2
CD/DVD: HD-LG-DS GSA4120B Super Multi 12X
CD-ROM: Mitsumi FX600X
FD/PC Card: Mitsumi FA404M
Removable HD Unit: NextWave RC-011 Ultra ATA133 Unit
Video Card: Leadtek WinFast A340TD GeForce FX5200 128 Mbyte
Audio: Creative Sound Blaster Audigy 2NX 24bit 96KHz External USB Audio Processor
TV Capture Unit: CANOPUS QSTV 2004 (to be installed)
A4 Flat Bed Scanner: CanoScan D2400FU

ハードの方はまずこんな所か、とう程度に落ち着いたと思っている。


[ソフト]
OS: WindowsXP Home Edition SP2
Security: Norton Internet Security 2003
System Keeper: Partition Magic V8, Drive Image 2003,
               Copyto Syncronizer V3
File Manager: エクスプローラー拡張メニュー, Total Commander
Document Makers: MK Editor, OpenOffice.org 1.12
CD/DVD Writer/Player: B's Recorder/B's Clip, CD Manipulator,
                 Power DVD, EPSON CD Direct Print V3
Internet: Mozilla 1.7Ja Suite, Home Page builder V8
          Almail32, IE6SP1+OE6
Audio-Visual: Audio Magic Professional
Graphic: Irfanview, Adobe Photoshop 5.0LE,
         IBM Webart Creator, IBM デジカメの達人
山岳展望シミュレータ: Kasimir 3D (+全国5万、20万地形図)
辞書類: PDIC+英辞郎、DDWin+各種国語/英語辞典、MicroSpell

はじめ、オーディオ、画像(動/静)の処理を主目的にしていたので、それに見合ったソフトのみをインストールしたが、使い出してみると、非常に安定・高速で快適だ。
セキュリティーのセットアップもシッカリ出来たので、メーラ/ブラウザー、ホームページ作成ソフトなど機能を拡張するソフトの導入が続いている。
新PCが日常的な作業の大部分をこなすメインワークステーションの地位を獲得するのも遠い日ではなさそうな形勢になっている。
上記のほかに、使い勝手をよくするのに有用な各種のミニプログラムを仕込んであるのだが煩雑になるので省略した。



[7]新オーディオ/ビデオ用PCの使用感

  最大の関心事はアナログレコードのディジタル録音を中心とするオーディオプロセッシングだった。
440BX チップセット/PentiumV 800Mhz+Windows Me の旧PCではハードディスク(一応 ATA100)の読み出し速度とUSB2のスループットがネックになっていた。

  Windows Me の欠陥か、大量のメモリーを積んでほかのソフトが走ってもいないのにあらぬ時にスワップが始まり、ハードディスクからプレイバック中の名曲がブツ切れになってしまうのがとても耳障りだったが、新PCではそのような現象は非常に希になった。
心なしか再生音質まで良くなったような気がする。

  ただし、LPレコードからデジタル録音した音楽のノイズリダクション処理をするため、米国から取り寄せた DART は、インストールはできたものの、うまく走ってくれないのが残念だ。
どうやらマシンコードのコンパチビリティーに問題があるらしい。
エミュレータでも仕込んでその上で走らせれば何とかなるかもしれないのでいずれ実験してみようと思っている。
  また、ハード的にはDVDオーディオにも充分対応できる筈なのだが、デバイスドライバー(?)がまだうまく動いてくれない。  いずれよく調べてみなければならない。

  静止画像は目だって奇麗になった。
ビデオメモリーが128Mbyte という潤沢な容量になったおかげで1280x1024px の SXGA 液晶表示で24bit カラー表示ができるためと思われる。
フラットベッドスキャナーから取り込んだ数10Mbyte におよぶ大サイズ画像ファイルの処理や、山岳展望シミュレータによる展望画像生成なども格段に早くなった。


  はじめ想定していなかった、メーラー/ブラウザーによるインターネットアクセスでもさすがと思う性能を発揮したため、危うくこのPCがその主役を演じるところだった。

  従来これは我が家のホームLAN の主人役を勤めているコンパクトデスクトップPCが分担していたのだが、昨秋、アンチウイルスソフト(McAfee)とメーラ(Almail)の間でトラブルが発生した事があった。
  ウイルスソフトを新バージョンに更新したらプロバイダーのメールサーバ(asahi-net)からエラーメッセジが帰ってきてメールが受信不能となったのである。
OE6 やMozilla など、ほかのメーラーなら問題ない事が確認できたのでアンチウイルスソフトとメーラの相性の問題だろうと判断、ソフト会社のサポート担当と連絡を取りながら解決をはかったのだがうまく行かず。
たまたま、店頭で購入したパッケージ版で更新すれば問題が生じない事が分かったのでとりあえずそれで繋いでいた。

  それから1年経って契約期限が来たので契約を更新、新バージョンをインストールしたら、また同じトラブルになった。
  これはちょっとやそっとでは解決できないと判断したが、メーラを乗り換えるよりアンチウイルスソフトを乗り換える方がずっと楽なので、アンチウイルスソフトを他社(Norton)のものと入れ替える事を決心。
  旧アンチウイルスはコントロールボックスから奇麗にアンインストールできたので、Norton のインストールに取り掛かったのだがプレインストールウイルススキャンの結果を表示するところでエラーメッセージが出てアボート。
直前にウイルススキャンを掛けてクリーンな事は確認していたので事前チェックをスキップしてインストールしようとしたが、今度はインストーラがエラーになってアボート。
念のため、レジストリーに残っていた旧アンチウイルスソフトの項目を消去して再度トライしたがそれでもやっぱり不可。
とうとう根負けしてPCを乗り換える事に決め、メーラーとメールボックスを新PCに移動した。

  インターネットアクセスマシンとしての新PCは、Windows XP SP2 によるセキュリティーの改善、Firewall/Spam Block とアンチウイルスがセットになった Norton Internet security のお蔭で保有PCの中では、Linux と並んで最も安全なシステムとなっていた。

  長年く使ってきて少々時代遅れになって来たかなぁ、と思っていたテキストベースメーラーもあらためて調べてみるとアンチ Spam やハイパーテキスト表示など、さまざまなプラグインが開発されていてまだまだ使い続けられそうだという事もが分かった。

  結論的には、マァこれでも良いかっ、と思いつつ、各種データフォルダーの再配置やLAN内のファイルシンクロナイズを行なうソフトのセットアップ変更など、ひと通りのセットアップ作業をすませ、一時期は、
完成後ひと月もたたない新PCが、メインワークステーションの地位を奪取するかと思われたが、その数日後に、何の気なしに旧メインPCのメーラを起動してみたら何ら問題なくメールクライアントがプロバイダーのサーバとつながり、何食わぬ顔で、"留守中" に着信していたメールをすべて受信した。

  ウイルスソフトを更新したあと常時接続ライン(Bフレッツ)のリフレッシュをせずにメールクライアントがサーバに接続しに行くと、アドレス詐称とチェックに引っかかり、身元不審なクライアントと認識され、不法接続としてサービスを拒否されたのではないかと想像している。
  なにはともあれ、インターネットアクセス関係の操作はすべて、もとのメインPCに戻すことができたので、あらためて新オーディオ/ビデオ用PCの用途を本来の目的に絞ることになった。




  新オーディオ/ビデオ用PCを加えた自作PCのラインアップ。

左から新A/V用PC(Athlon64 WinXP SP2)、

中央のコンパクトPCが
Liunx 専用機
(Cerelon 1GHz, 
Turbo Linux 10F)、

右が旧オーディオPC
(PentiumV 800MHz, 
Windows Me)



[追記]
    新オーディオ/ビデオ用PCができたあと、2ヶ月ほどしてデジカメを更新した。
これまで、5年もの長年月にわたって Nikon の Cool-Pix 950 を愛用していた。
下手な銀塩一眼レフより高価だったがとても写りの良いデジカメだった。
しかし、この間のデジカメ関連技術の進歩は凄まじく、どう贔屓目に見ても使い勝手の時代遅れが気になるようになっていた。
  今度手に入れたのは、Canon の PowerShot A95 だ。
デザインにちょっと玩具じみた雰囲気があるのは気になったが、レンズの仕様はほぼ同じで値段は Nikon の1/3近く。
それ以外のスペックは段違いで、画素数が2.5倍、盛り沢山で覚え切れないほど多くの機能が詰め込まれていて、動画の撮影までできる。

  静止画はこれまで通りCFカードから読み出して Irfanview で処理すればよいのだが、動画の編集とカメラのファームウエヤをダウンロード/更新するためには親機とUSBで繋げなければならない。
これらも新A/V用PCの分担にして、カメラ付属のCDから必要なソフトをインストールした。

  こうなると、事実上写真アルバムになっているプライベートホームページ作成作業も新A/V用PCに移行した方が便利だということになる。

  そのためには良いキーボードを付けて、快適文字入力環境を作らねばと、キーボード探しに秋葉に出掛けた。
  キーボードは全部で十数本も持っているのだが外れが多く、手に馴染んだものは、僅かに昔の IBM Aptiva からの生き残り、EPSON の BTO 機に付いて来たもの、今度と同じ店で買った Happy Hacking のミニUSBタイプと IBM の Space Saver くらいで、大半が棚の肥やしになっている。
  沢山のキーボードを並べている店に入り、片端から叩き比べ、大分時間を掛けて選び出したのは、Silicon Graphics のブラックキーボードだった。
かつて三次元画像処理やCADの業務用ワークステーションとして勇名を馳せ、垂涎の的だった SGI Indigo に付いていたのと同じ代物である。

今度のは "当たり" だった。
たっぷり深いストロークと程よい反力があってなかなかいい感じだ。


[新自作機の発熱]
    このPCを長時間連続稼動に入れてすぐに分かったことは、最大の発熱源は電源ユニットだと言うことだった。
手元の古雑誌を覗いてみたら、Intel が中心になって決めたATX規約では電源は効率が70%以上あればよい事になっているらしい。
  仮に、350Watt の電源ユニットがフルパワーで動作すれば、100Watt 以上もの熱を出すことになる。
普段はその半分位の電力で動いているとしても、デスクトップPCは常時50Watt 超の "電熱器" を抱えているという訳である。

  もうひとつ馬鹿にならないと思ったのがビデオカードだった。
メモリー量はともかく、今度のPCが搭載しているGPUはローエンド機種の範疇に入るファンレスのものなのだが、指で長時間触れているのが辛い位まで熱くなる。
  これに対し、CPUは大形のファンが付いているのと計算負荷が軽いせいとでホンノリ温かくなる程度だった


[旧オーディオPCの始末]
    ”新鋭機の登場で旧オーディオPCは出番がなくなってしまったが、ディスクドライブの装備はスーパーマルチオプティカルドライブを搭載していたりしてなかなかのレベルだ。
マザ−ボードとCPUを入れ替え、OSを Windows2000 以降のにグレードアップすればまだまだ活躍できる。
この年末あたりを目処に、更新しようと思っているが、その時にもう一台 Athlon 64 機を増やすか、安くて早いPCが作れる Athlion XP にするか、あるいはハイブローな Pentium M にするか、その時点におけるコスト/性能比で選定することになるだろう。"
  ---と記してから3ヶ月経った。
このサイトの別項レポートに詳細を記したように、Mobile Athlon XP-M と VIA KT880 マザーボードによるリニューアルを行い、"低発熱静粛形 CoolPC" に仕立てた。
  OSを Windows 2000pro に変更したことも相まって非常に安定度の優れたPCができたのでメインワークステーションとして使いやすくするための大小様ざまなソフトの導入とセットアップを行い、現在は日常作業の殆んどをこれでこなすほどにまでなっている(Feb.21,2005)。


[オーディオPCの性能はI/Oが勝負?]
    あとから作った CoolPC に CrystalCPUID と言う CPU 制御/監視ソフトを導入したところ、軽負荷時の消費電力抑制に非常に効果があった。
  新オーディオPCは期待通りの性能を発揮しているのだが、さらにもう一段の低熱化を図って CrystalCPUID を持ち込んでみた。
結果は上々で、アイドル時のCPUクロックを8/15に、CPUコア電圧を1.350V/1.450V に抑制する事で消費発熱電力を約90W 台から20W 台に激減させる事ができた。
時たまモニター出力を表示させて見ているが、気が着いたことは録音/再生時の CPU 負荷は至って軽く、PCは殆んど居眠り状態だという事だった。
僅かにサウンドファイルの MP3 エンコーディング/ディコーディングを行う数分間だけはフルパワーとなるがそれ以外のディスクI/O制御はもっぱらチップセットにお任せで殆んど何もしていない様子なのだ!(Feb.21,2005)

                                           (Revised Oct.15th, 2004)