鎌倉 番場ガ谷-天園・天台山-明王院 (2019.2.2)

(β版)

 

☆期日/天気/山行形式: 2019年2月2日/ 晴/ 単独日帰りハイキング
☆地形図(2万5千分1): 鎌倉(横須賀5号-3)
☆まえがき
    朝夷名切通から六浦へ歩いたとき、六浦駅の西の住宅街の中に取り残された原地形の丘陵の中に藪山ルートを見つけ、都会の中の藪尾根歩きを楽しみました。
であるならば、街中で谷歩きを楽しむことも可能か、と思って探してみたら天園の裏側から流れ下っている番場ガ谷(ヤツ)がありました。

  冬晴れの日を選んで歩きに行ってみた谷は、僅か1時間半ほどで登りきれたミニサイズの谷でしたが、迷路のような下流域、野趣に富んだ中流域、長い滑滝から小尾根に取り付く源流域と言うふうに変化に富み、ソコソコの "谷勘" も要求されて、なかなか楽しく歩けました。
  下山路は天園から南へ派生し、番場ガ谷の右岸を形成している尾根筋を辿り、明王堂に降り着くルートを選びました。
とても良く整備された歩きやすいルートで、ノンビリ歩きましたが、ルートの途中で僅か外れた所にある天台山(141.2m)に立ち寄って見たら、 こちらでも、超ミニ版の藪ルートを楽しみました。


天園南肩岩頭の展望  (画像をクリックすると拡大スクロールします)

☆ルートの概要




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☆ルートの詳細

<ルートの要所>

  鎌倉駅前から出ている金沢文庫方面行バスで15分たらずの十二所バス停で降りたあと、来た方に200m ほど戻ったところにある橋の袂で右折し、川縁の道を進むとすぐの所に御坊橋が架かっています。
橋を渡って右岸に移ると十二所の村に入り、民家の間の道を進みます。
  最奥の家の前庭の手前右側の笹薮の間に入ると川縁の柵に沿った道になり、流れに付いたり離れたりしながら藪の間の道を進んでゆくところは水っぽくて泥濘み、所々に戸板や木の枝の足の踏み場が置かれています。

  パンツの裾や靴を泥で汚さぬよう、用意してきた中スパッツを小広場で着けました。

ナメ滝から左岸へ  (画像をクリックすると拡大)
  入渓して15分たらずの所にあるナメ滝がこの谷を間違いなく遡行するための最大のポイントでした。

  黒いスラブの小奇麗なナメ滝でしたが、登り上げると右岸の段の上に明瞭な道形があったので、一応様子を見ようと進入してみましたが、枝沢をどんどん登ってゆくばかりで本谷に戻る気配がなかったためあと戻り。

  ナメ滝の下まで戻ってみたら左の写真のように、滝の途中の左岸に鋭角に折り返して段差の上に上がってゆく道形があるのに気が付きました。
  こちらは僅か登ると沢縁の段差の上で鋭角に左折し、上流に向かう道になりました。
道形は明瞭で10~20m ほどの間隔で芭蕉の葉のような模様が刻まれたコンクリート標柱が打ち込まれています。

  右上にある鎌倉霊園に上がってゆく道を見送り、左下に流れを見ながら進んでゆくと低い崖の縁に出ました。
突き当りの大木に太いローが取り付けてあっったのですが足場が悪くて降り難かったので左手に進んでみたら別の立木にトラロープが取り付けてあったのでこちらから流れの縁に降りました。


  ロープを降りるとすぐに渡渉して右岸に移りましたが少し先でまた渡渉して左岸に戻りました。

  左下に流れを見ながら進んでゆくと太い丸太を2本並べた橋が見えました。
この丸太橋を渡って右岸に移ると小尾根を登って天台山の北の鞍部に立っている送電線鉄塔の袂に登りつくようでした。

  鉄塔分岐の先で左の写真のように沢が狭い溝状になっている所があり、ルートの案内と通過を援助とを兼ねたような感じでロープが張ってありました。


  ロープのヘツリを過ぎたあたりから渓流歩きの雰囲気になってきました。

  ふたつ目のトラバース・ロープを通過すると、なんとなく源流が近づいて来たような感じとなり、左のように樋状のナメ滝が連続するようになりました。

  このあたりが番場ガ谷の核心部と言えそうです。
ほどほどの傾斜がある狭いゴルジュ状の所は街中とは思えない沢登り気分を楽しませてくれました。
雨季に水量が増えると履物を濡らしながら登ることになるのでしょうがこの時期は靴底が濡れる程度で済みました。

  左手に回り登ってゆくと水がなくなってきて、やがて小尾根に取り付き、笹薮混じりの藪の間を折れ登ってゆくと水平に通っているハイキング道に飛び出しました。

この道は市境広場から横浜霊園の縁の尾根筋を通ってきて天園の休憩所に行く道で、道に上がった所のすぐ左手に直径1m ほどの古井戸跡があります。

  出口の笹薮の中に小さな赤テープが巻き付けてあるだけで道標のようなものはまったくありません。
道形も不明瞭で笹薮の僅かな隙間にしか見えない状態ですからハイキングルートを歩いてきた人が気が付くことはまずなさそうです。

  右手に僅か進むと天園裏の十字路で、左折してやや急に折れ登ってゆくとまわりが開けてきて天園広場の東寄りの縁に出ました。
目の前に鎌倉市最高点の説明看板が立っています。

  この日も1月3日に来た時と同じ様にきれいに晴れ上がった好天日で、広場の鎌倉側の縁に出て左に寄ると富士山が見えました。

  下山は天園から南に向かって派生し、番場ガ谷の鎌倉側の襟を形成している尾根をなぞり、明王堂に降りてゆくルートを選びました。

  天園の南肩にある露岩に上がってみたら、ページ冒頭のパノラマ写真のような眺めを見ることができました。

紅葉谷下降点のある十字路を直進して先に進むと、とてもよく整備されたハイキング道が続いていてのんびり歩きました。

  天台山は、天園から600m 程南下したした所で露岩を急降下する降り口の上から右横の急斜面に上り、笹薮の隙間を進んで行った所に頂上があり、左のような三角点標石と石祠が並んでいました。
ここに立ち寄る物好きは結構いるようで、道形は明瞭でした。


  天台山分岐から100m あまり南下した所にお塔やぐらへの下降点があるようですが特段の標識はなく、左下の山腹をまわり下ってゆく道形が見えただけでした。

  さらに100m 程南下すると左のように、大きな露岩があり、大亀石の看板が立っています。

  大亀石から100m ほどの所に "これより瑞泉寺境内" とか刻んだ石杭が立っていて、その先に道の左側に金網の柵が続くようになりました。

  暗い杉林から出てまわりが明るくなると十二所への道が左に分岐。
そのわずか先でT字路に突き当ると、右は瑞泉寺、左は明王院と記した道標が立っていました。

  左に進むと右下に浄妙寺あたりの市街を見下ろす尾根道になりました。
コブをひとつ越え行った所に左のような鳥居と祠のある分岐点がありました。

イエズス会の施設の方にゆく道を左に見送って進むと笹薮の間になり、やがて人家のブロック塀に沿って急降下するようになりました。 

  僅かな急降下で左のようなコンクリート階段から狭い舗装路に出ました。

  ここは登山口らしくない所で、見落として先まで行ってしまう人が多いようです。
出口に向かあった立木に、ここから登ってください、この先は行止りです、と書いた紙が駆けてあるのですが、至って目立たないものゆえ、役に立っているかどうか?

  右折して坂を下った所は明王院の脇で、表参道の方にまわって境内に入ってみたら名物の梅見の時期に備える手入れの庭師が作業をしている所でした。

<行動時間>

    宮崎台[8:32]=(東急線)=溝の口=(JR南武線)=[8:53]武蔵小杉[9:05]=(JR横須賀線)=[9:41]鎌倉[9:50]=(京急バス大刀洗行)=[10:03]十二所神社(10:08)-御坊橋(10:10)-天園南尾根コース入口(10:14)-番場ガ谷ルート入口(10:18)-スパッツ着用(10:21)-ナメ滝横で折り返し左岸の道に上がる(10:31/左俣に入りかけてあと戻り/37)-霊園道が分岐(10:40)-沢底へ降りる固定ロープ(10:43)-渡渉点(10:47)-送電線鉄塔ルート入口の2本丸太橋(10:54)-固定ロープが張られたヘツリ(11:00)-三本丸太橋(11:19)-沢溝から左岸の道へ(11:27)-ハイキングルート出合(11:31)-天園広場(11:37/12:00)-富士見岩(12:01/03)--獅子舞分岐(12:04)-送電線鉄塔(12:11)-天台山入口(12:17)-天台山(12:21)-天台山入口(12:25)-お塔やぐら入口(12:28)-貝吹地蔵(12:34)-大亀石(12:35)-瑞泉寺領標石(12:38)-明王院分岐(12:48/50)-初弁天(13:00)-歩道出口(13:10)-明王院(13:21/27)-泉水橋バス停(13:32)-浄妙寺バス停(13:41)-杉本観音バス停(13:47)-筋替橋(14:01)-日蓮上人辻説法跡(14:08)-鎌倉駅入口(14:17)-(14:25)鎌倉駅[14:26]=横浜=武蔵小杉/蕎麦/JR武蔵小杉=溝の口=[16:03]宮崎台


詳細ルートマップ
        (画像をクリックすると元図が表示されます)



★GPS軌跡の記録と地点位置の補正
     には Android アプリ 山旅ロガーと
     地図ロイドを使用。
     ルートマップの作図には Windows
     山岳展望アプリカシミール3D。
     ベース地形図は国土地理院新版
     淡色レベル16 を使用。
     ルートの詳細を正しく伝えるため
     元図は大きなサイズになっている
     ので、ダウンロードしたら適宜縮小
     するか、要所を切り出して印刷、
     などして利用してください。
     縦横比は維持していますが縮尺は
     不明です。 国土地理院の紙地図と
     照合してください


 GPS軌跡・地点マーク
        のダウンロード

★上の地図の GPS 軌跡と地点マーク
     情報をまとめて ZIP 圧縮したもの。
   解凍するとそれぞれの kml ファイル
     が得られます。
     Google maps に読み込むなどして
     利用してください。



☆おわりに

    番場ガ谷では、期待に違わず、街中の谷歩きを楽しみました。
開発から取り残された番場ガ谷は標識もないかなり藪っぽいルートで、細かく変化する地形を読みながら源流に向けて谷を詰め上げてゆく谷歩きの面白みを街中で味わえました。

  鎌倉アルプスは冬季の運動不足を補うための遠足フィールドとして手軽なため、以前から時々訪れていたので今回の番場ガ谷歩きによってほぼ全域をカバーできたような気がします。
このあと、池子の森から逗子のあたりまでを歩けば、その南は神武寺から鷹取山以南の三浦アルプスです。
次回の宿題は池子の森への遠足、と言うことになりそうです。

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