![]() 熊野古道 雲取越え (2013.10.29-30) ![]() |
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☆期日/山行形式: 2013年10月28日-30日 市中ホテル利用2泊3日 シニア二人連れ ☆まえがき 年寄り仲間連れ立って東熊野街道沿いのパワースポット 大台ヶ原、前鬼の宿、瀞峡などを訪ねる旅に出かけようとしていたところへ台風27号が来て計画がお流れになりました。 そのあとの 「ついで山行」 として計画していた雲取越をどうしようかということになりましたが折角の機会だから是非行きたいと老友が希望。 自分としてもこの先、長丁場を歩けなくなるまで長くはないのだからから今のうちにと、この熊野の名ルートを7年振りに再訪することとなりました。 台風一過のあとにあて込んでいた好天は長続きせず、肝心の小雲取越えは小雨模様の中となり、百間ぐらの展望も得られませんでしたが、前日の足慣らしに歩いた新宮 千穂ヶ峯と、三日目に歩いた大雲取越前半部(那智高原-舟見茶屋)では快晴に恵まれ、要所で好展望を楽しみ、まずまずの山旅になりました。 |
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☆10月29日: 小雲取越(雨のち曇) <2万5千分1地形図> 本宮(田辺2号-3) <行動時間> 新宮[7:05]=(熊野交通バス本宮大社行)=[7:39]神丸バス停[7:41]=(熊野交通バス小口行)=[7:53]小和瀬渡場跡(8:05)-桜茶屋跡(9:15/30)-桜峠(9:53)-石堂茶屋跡(10:15/25)-賽の河原(10:30)-林道交差点(10:44)-百間ぐら(11:00/07)-万才峠分岐(11:29)-松畑茶屋跡(11:34/45)-(12:30)下地橋バス停[13:10]=(熊野交通バス)=[13:34]本宮大社[15:20]=(熊野交通バス)=[16:09]新宮権現前-(16:45)宿舎 |
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<ルートの概況> 小雲取越は2006年の11月に歩いているのでちょうど7年ぶりの再訪ということになります。 台風が通り過ぎていった後の数日は好天が続くはず、と期待していたのですが、夕食のあとで見たテレビの予報は突然の暗転を報じ、なんと南紀州では雨になるかも、ということになってしまいました。 急いで持参した雨具の点検をしてみたところ、ゴアパンツやスパッツはあったものの、なぜか折りたたみ傘が欠けています。 急遽、ロビーに降りて行って受付係に店の所在を尋ね、街中のショッピングセンターに行って調達しました。 こんな手抜かりをするのは頭がぼけてきたせいなのでしょうが、街中のホテルに泊っていたから無事に済んだものの、山中の宿に泊まっていたら、防水能力が十分でない簡易合羽だけとなり、秋雨の中を濡れずに歩くことはできなかったでしょう。 |
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![]() 小雲取越 桜茶屋跡から赤木川谷 (画像をクリックすると拡大) |
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前夜のテレビの天気予報は残念ながら的中し、小雨模様の朝になりました。 早朝、新宮駅前からバスで出発。 ほかに客はいなかったのでドライバーと話しながら熊野川沿いの国道を走りました。 神丸(カンマル)で乗り継いで小和瀬渡し場跡の小雲取越の入り口へアプローチ。 渡し場跡に架かっている橋の袂の園地にある東屋に入って身支度をととのえました。 |
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ゴアパンツとスパッツを着け、前夜購入した折りたたみ傘をさして橋を渡ると、対岸の小和瀬集落に入ります。 民家の脇の石段から小雲取越の古道ルートが始まりました。 |
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民家の背後の畑の間から杉林の間に入ってゆくと石畳の道になります。 前の晩から小雨が降り続いているため、あたりが濡れていて腰を下ろして休む場所がないのが困るところでしたが、一様でゆるい傾斜の穏やかな登り坂になっているお陰で程々のペースを守っていれば長時間歩き続けることができます。 |
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やや急に登って支尾根を乗り越え、少し進んだところが桜茶屋跡でした。 谷を見下ろす高みに東屋が立っていて、屋根の下のベンチは乾いていて雨の中ではありがたい休憩場所でした。 東屋の前の道に出るとページ冒頭のような眺めが見られましたが、赤木川の谷には雨雲の蓋がかぶさっていて下の方は見えませんでした。 |
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桜茶屋跡からゆるやかに登って行くと桜峠の頂上になります。 このあたりは高度が高いせいか、地形のせいか、あたりに雲霧が立ち込め、幽玄な雰囲気になっていました。 |
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さらに進んで行った所が石堂茶屋跡で、ここにも東屋が立っています。 こちらは杉林の中のため展望は得られませんが、風がある日でも雨が吹き込まず、落ち着いて休める場所になるように思いました。 ひと休みして腰を上げかけた所へ台風の後のルートを見回りにきた地元の二人組と出逢いました。 ここまでの様子を聞かれたのですぐ先に倒木が一本、道の上に倒れかかっているがそれ以外は別段何も問題なく歩いこられた旨を話して分かれました。 |
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暗い杉林の中にある賽の河原を過ぎ、ピークの右肩を巻き終えると明るい自然林の尾根に乗りました。 |
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間もなく 右下に林道が見え隠れするようになり、大振りの皇太子臨幸記念碑の前を通り過ぎると舗装林道に出ました。 |
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林道の向かい側に続いている道を登って行くところで、下の方に作業小屋の屋根が見え、人の声が聞こえました。 ビニールパイプで水を引いた水場を過ぎて山の左肩を巻いてゆくとやがて百間グラに着きます。 ここは、小雲取ルート最高の展望で、開けた尾根の端で北に向かって立つと果てしない山並みを見渡せるのですがこの日は雲霧が立ち込め、わずかに近くの尾根筋が見えるだけでした。 |
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百間グラから右手へ2、3本の小尾根を横切って行ったあと左折すると熊野川沿いの請川の方へ延びている長い尾根に乗ります。 尾根に乗って僅か進んだ所に万歳峠分岐の標識がありました。 ここで右折して東に進んでゆくと、志古の近くで熊野川沿いの道に出られます。 この頃から雨が上がってきて幾らかのんびりムードで歩けるようになりました。 |
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さらに進んでいった所に松畑茶屋跡がありました。 ここは野外ベンチだけで東屋はないのですが、雨が止んでいたお陰で、杉の根方に腰を下ろしてユックリ休憩できました。 |
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松畑茶屋を過ぎるとまわりになんとなく里山の雰囲気が漂ってきてやがて熊野川が見えてきました。 対岸の山は南奥駆最南端の七越峰のようです。 このあたり、前来た時はやや藪っぽい尾根の背の道を真っ直ぐ下ったような記憶があるのですが、道が付け変わったようで軽トラックが通れるほどの幅がある林道を歩きました。 やがて請川の人家が見えてきました。 |
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思ったより早い時間に下山できたので熊野本宮大社まで足を延ばすことになりました。 バスの待ち時間があったので以前お世話になった元請川郵便局長の Sさんの消息を尋ねてみようと郵便局に立ち寄ってみました。 田舎の郵便局はすぐ裏の民家が局長さんの自宅と言うケースが多いのでヒョットすると、と言う期待があったのですが、Sさんのご自宅は熊野川対岸の七越峰の下の集落で、かなり下手に架かっている橋を渡って行かなければならないと言うことが分かり、残念ながら再会は諦める事となりました。 |
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午後の早い時間のバスで本宮大社に向かいました。 湯の峰温泉まわりの便だったので請川から西の山間に分け入り、渡瀬温泉から湯の峰温泉へまわり、トンネルを潜って本宮大社に着きました。 お陰で前に二度も泊まっている湯の峰温泉の 「あたらしや」 の前を通り、そのすぐ下の川にある小栗判官蘇生のつぼ湯の小屋も見ることができました。 本宮大社前のバスターミナル一帯は先年の水害のあと見違えるほど綺麗に整備されていました。 |
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昼食は請川の蕎麦屋を当てにしていたのですが休店日だったため、食べ損ねていました。 そこでまず、本宮大社参道入り口の脇のそば屋に入り、かき揚げ天付きそばを食べました。 水害のあとに建てられたこの店は、小さいけれど小綺麗で、とても美味しいかき揚げ天ぷらを食べさせてくれました。 |
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以前と全く同じと思えるまでに復旧している参道から石段を登って行くと見覚えのある神門が見えてきました。 この神社のシンボルになっている八咫烏はサッカー日本代表チームの守り神です。 本宮大社の境内は森厳な雰囲気が漂っていて、なんとなく優しい雰囲気のある速玉大社とは趣が違います。 今は本殿の修復工事が行われていてで全体が帆布で覆い隠されていたのは残念でした。 |
神社参詣を終えて石段を下り、物産館に立ち寄りました。 参道下の横手にあった宿坊瑞鳳殿は先年の水害で二階まで水に浸る被害を受けたあと取り壊され、その跡地に新しいビルを再建する工事が進んでいました。 熊野本宮参道入口付近の家並みもすべて流されたようで、集落全体が建て直され、以前とはずいぶん雰囲気の違う垢抜けた門前町に変っていました。 バスターミナルも見違える程立派になっていましたが、少しばかりの待ち時間があったので乗り場の後ろに建てられた歴史資料展示館に入って見ました。 新宮に戻る途中、バスの窓から見えた山には激しい崩壊が起きた跡が大滝になっている沢溝が何箇所もありました。 壊滅的な被害を被ったと言う志古のバス/ウォータジェット船ターミナルも、新しい建物に建て替わっていました。 |
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<ルートの詳細> ![]() ![]() |
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☆10月30日: 大雲取越 那智高原から舟見茶屋跡(晴) <2万5千分1地形図> 新宮(田辺2号-2)、紀伊勝浦(田辺3号-1) <行動時間> 跡(9:18/9:40)-林道(10:27)-那智高原(10:41)-青岸渡寺(11:18/28)-(11:31)那智山バスターミナル[11:45]=(熊野交通バス)=[12:10]紀伊勝浦駅[12:23]=(南紀6号)=[16:10]名古屋[16:35]=(ひかり474号)=[18:21]新横浜=あざみ野=[19:05]宮崎台 |
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<ルートの概況> 小雲取越の翌日は大雲取越でした。 この日のうちに帰京するには午後12時台に那智勝浦駅を出発する南紀特急に乗らなければならないため行動時間が昼までに制限されます。 大雲取越のロングルートをカバーするのはとても無理ですがせめて前半部の見せ場だけでもと、那智駅からタクシーで那智高原に上がって舟見茶屋跡へ往復したあと那智山へ下って青岸渡寺と那智大社に参拝。 路線バスに乗って那智勝浦に下山する行程にしました。 はじめはバスで那智山まで上がり、その先の那智スカイラインのみタクシーで、と言う計画を立てていたのが那智スカイラインも台風被害で不通になっていることが分かったので急遽変更し、山裾を迂回してゆく43号線経由、タクシーで山に上る事にしました。 |
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明け方近くまで降っていた雨が上がったのは幸いなことでした。 朝一番のJR列車で那智駅まで行き、前夜予約しておいたタクシーに乗り継ぎました。 妙法山の麓の谷筋をに入ってゆく所では横手の谷に大量の土石が積み上がり、過酷を極めた水害の被害の跡を止めていました。 青空が広がってきて那智高原に登り着く手前では大塔山方面の山並みが見渡すことができるようになりました。 明るく開けた園地をさわやかな秋風が吹き抜けている那智高原で支度をしてルートに入りました。 |
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小雲取越に比べると大雲取越は男性的というか、やや山っぽい雰囲気ですが、所々に立っている標識の石柱は同じ作りです。 杉林の中の道を登り始めて暫く経った所で後ろから若い単独行者が追い付いてきました。 暫く話をしながら歩きましたが、地元の山好きで京浜地区で仕事をしていたこともあるとのことでした。 「丹沢など東京の近くには良い山が沢山あるのに何故わざわざこんな所まで出掛けてくるのですか?」 と質問があったので、「近所の山は歩き飽きた所もあるし、雲取越えルートの雰囲気が気に入っているからですよ」 と答えました。 |
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大雲取越の古道は、坂が急なことを反映して、やや大振りの石を敷き詰めた石畳になっている場所が目立ちます。 |
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ひと山越え、那智高原から山腹を迂回して登ってきた林道がずぐ脇を通っている鞍部を通り過ぎていった先の山懐に登立茶屋跡がありました。 杉林の中に敷地の跡に残っている石積みが見え、かつてここにあった茶屋のことを記した看板と小口までの距離を記した道標が立っていました。 |
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登立茶屋の先から暫くやや急な登りが断続します。 我慢して登り続けてゆくとまわりが明るくなってきて傾斜が緩み、舟見茶屋跡の標識が立っている平地に登りつきました。 道の右手の高みに東屋があり、その脇に出ると正面に妙法山、その背後に熊野灘の水面が広がっているのが見えました。 はじめ妙法山に掛かっている雲が視界を妨げていたのが見ている間に上昇してゆき、朝日に輝く那智湾が見えてきました。 |
![]() 大雲取越 舟見茶屋跡の展望 (画像をクリックすると拡大) |
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時間を見計らって下山を開始。 登ってきた時に見てきた林道に鞍部からエスケープして最後の登りを回避。 楽々歩いて那智高原に戻りました。 林道への出口は左のようになっていて、林業の作業標識と思われる 「22」 と記した番号札が置いてありました。 |
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那智高原は開けた気分の良い園地です。 前に通った時には茶店が営業していましたがスカイラインが不通になってからは来る人もなくなったのか、戸締めになっていて、入り口のあたりも草生していました。 |
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園地の中を下って行くと石畳の古道になりました。 湿っている石畳の道は登山靴との相性が悪く、気をつけていないとツルッと滑りそうです。 用心しながら下ってっゆくと那智山中腹にある阿弥陀寺への分岐を示す道標が立ていました。 道標の前で左手に折れ、さらに数回、杉林の中を折れ下ってゆくあたりでは、左下の方から水音が聞こえてきました。 きっと那智の滝の音に違いないと思いました。 |
![]() (画像をクリックすると拡大) |
さらにひと下りすると下の方が明るくなってきて、やがて青岸渡寺の境内の一角に飛び出しました。 本堂横の柵の脇に寄ると、定番の那智の滝の眺めが見られました。 景観の美しさでは那智山が熊野三山中第一と思いました。 |
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青岸渡寺の本堂で賽銭を上げ、山行を無事に終えられたことへの感謝を捧げ、那智大社にも参詣して参道の石段を下りました。 |
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参道の石段は急で下から登ってくるのはなかなか大変ですが3日の山歩きを仕上げる最後の下りゆえ、良い気分でのんびり下りました。 那智黒石の彫刻や黒飴などを並べている店を横目で見ながら進んでバスターミナルに着いたのはバスの定刻の15分前。 喉の渇きをソフトクリームで潤してバスに乗り、那智勝浦駅に下山しました。 |
<ルートの詳細> ![]() ![]() |
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☆おわりに 小雲取越は小雨模様の中。 大雲取越は時間がなくて舟見茶屋跡までの往復のみ、ということで些か不完全な形となりましたが、7年振りの雲取越え再訪を果たしました。 それなりに景色も見られ、熊野三山にも巡拝できたのですからなかなか悪くない山行だったと思っています。 |
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