みちのく山巡り 八甲田-十和田 (2011.7.31-8.5)


☆期日/天気/山行形式:
2011年7月31日-8月5日 旅館/民宿5泊6日
☆地形図(2万5千分1): 八甲田山(弘前1号-1)、酸ヶ湯(弘前1号-3)、
           陸奥焼山(弘前1号-2)、温川(弘前1号-4)、十和田東部(弘前2号-1)
☆まえがき
    ここ数年、夏はみちのくの山巡りに行くのが慣わしになっています。
八甲田から手をつけたのが順次南下し、昨年の夏は磐梯・吾妻に到達して一段落となったのですがさまざまな理由で幾つもの山をスキップしています。

  そのような落穂のうちで最も北に位置する大物 南八甲田を今夏の主目標に選びました。
数年前、秋田駒裏手の千沼ヶ原に行ったときに出遭った青森の登山者に、南八甲田が綺麗だと言う話を聞き、それ以来ずっと気に懸かっていました。

  南八甲田への入り口は猿倉温泉ですが、核心部にある池沼と、萢(湿原)と、主峰 櫛ヶ峰を訪ねるには笹薮と泥濘のロングルートを突破しなければならず、足腰が衰えてきた年寄り単独行者がにとってはなかなかの難物です。
  どうすればこの難ルートを無理なく歩ききれるか?
あれこれ調べ、考えているうちに、もと車道として開かれた旧道コースには急登がないことに気が付きました。
中間点の駒ヶ峯入口までテントを担ぎ込んでベースキャンプを設置すれば、山中にひと晩泊まって、黄瀬沼を訪れ、櫛ヶ岳にも登れそう、と言う感触が得られました。

  ただし、2日続きの好天に恵まれなければ敗退して終わりという事になってしまいます。
遠路遥々出かけたのに手ぶらで帰ることになったのでは悔しいので、前回一部を歩き漏らしている北八甲田の登りなおし、南八甲田前山のひとつ 蔦温泉の松森山、十和田湖の展望台と言われている十和田山などと組み合わせ、5泊6日の "保険" 付き山旅計画を組みました。

☆行動記録

<行動時間>
7月31日(青森-酸ヶ湯 晴、猿倉 霧時々小雨)
  宮崎台[7:21]=大手町=東京[8:28]=(ハヤテ#159)=[12:33]新青森[13:10]=(JRバス ミズウミ#10)=[14:30]睡蓮沼(14:55)-(15:25)猿倉温泉
8月1日(霧時々小雨)
 猿倉温泉(8:30)-休憩所(8:45)-第2ヘアピンカーブ(9:40)-矢櫃萢(10:25/30)-小休止(11:15/25)-(12:30)猿倉温泉
<概要>
7月31日
    朝、新幹線で東京駅を出発。 新設されて間もなく、超モダンな新青森駅で十和田湖行JRバスに乗り継ぎ、ねぶた祭りの準備が進んでいる街路を走って山に向かいました。
市街から抜けると行く手に八甲田の山々が姿を現しましたが高い所に少し雲がかかっているだけで天気はかなり良さそうでした。
猿倉温泉バス停のひとつ手前の睡蓮沼でバス降り、湿原を見てゆくことにしました。
  酸ヶ湯までは、岩木山が雲の中で見えなかったほか、天気は良い方だったのですが、そこを過ぎて笠松峠を超えるとすぐ霧の中に入り、あたりが薄暗くなるほどでした。

八甲田ゴールドライン沿いの睡蓮沼    
(クリックすると拡大)
  睡蓮沼は池塘の先に八甲田の山々が並んで見える展望地として知られているようでした。
しかしこの日は、上のように霧のカーテンをバックにタンネの森に囲まれた湿原と池塘が静まり返っていました。
湿原は所々キンコウカの黄金色に彩られ、池塘の中にはエゾヒツジグサの群落が白い花を咲かせていました。

  沼を見たあと猿倉に向かいましたが霧が濃くて風が肌寒く、このままの天気だと南八甲田は難しいかも、と思いました。

  猿倉温泉は山中の一軒宿で豊富な硫黄泉を十和田湖温泉郷方面へ送湯している元湯です。
3泊しましたが山菜料理とスイーツの取り合わせが絶妙でした。
ただ、この夏は天気の悪いのが大問題で、"今どきになってもこんな天気が続くのは始めてだ" と主人が嘆いていました。
  入山初日の夜は雨が断続し、気象情報がとても気にかかったのですが、奥山の谷合にあるこの宿は地デジ化ができていないためテレビを受信できず、携帯は au でないと圏外、ラジオもノイズばかりで聞き取れず、と言う状態のためお手上げでした。
8月1日
    朝になりましたが霧ション模様で先の見通しも立たず、意気上がらない朝になりました。
最低、駒ヶ峯のテン場まで行き着いて山中に泊れれば翌日は天気が良くなって櫛ヶ峰に登れるかも、と言うはかない望みのもとに支度を整えました。

  しかし、このような悪天が続くことは想定外だったため、雨衣の下はゴアテ・パンツを用意していましたが、上が撥水ウインドブレーカだったのが不安でした。
また、久し振りのテント山行の装備を運ぶため別送してあった中型アメリカンザックはフィールドでの耐水性検証をしたことがない代物で、ザックカバーも用意していませんでした。

  登山口の公衆トイレ兼休憩所に行くと少し前に2台の車に分乗してきた6人のグループがいました。
ふたりがGPSを持っていたりして地元のハイカーにしては装備が高級だなぁ、と思いましたが、あとで聞いたところ、登山道の状況を調べる仕事で来ていた人達だったようです。

  最新の気象情報を調べておられますか?、と聞いてみたらひとりが au の携帯を引っ張り出し、GPS 座標地点の気象情報をチェックしてくれました。
曇り一時雨、と言う予報で、やっぱり難しいみたいだなぁ、と思いましたが今後のためにも行けるところまでは入ってみようと、ゴアパンツを穿き、撥水ウインドブレーカを着たあと折りたたみ傘も出してルートに入りました。

  テント山行の重荷を背負うのは久し振りでしたが体調がよく、歩き出しは順調でした。
ただ、旧道ルートに入ると濡れ藪と、泥濘と、頻繁に頭をこづいたりザックに引っかかる潅木の枝に悩まされるようになりました。

南八甲田 矢櫃萢のキンコウカの原    
(クリックすると拡大スクロール)
  1時間半あまり歩いてようやく矢櫃萢に着きました。
キンコウカの花ざかりになっている広大な草原を前に夢見心地のひとときを過ごしましたが、入り口付近で写真を撮って登山道に戻った所で方向の判断を誤りました。

  せいぜい15分ほどで着けるはずの矢櫃橋に30分経っても着きません。
GPS を引っ張り出してチェックしてみたら登ってきた道をモロにあと戻りしていることが分かりました。
天気がよかったら反転してもとに戻れば、遅れても午後なかばまでに駒ヶ峯入り口に着けるだろうから問題はないと思いましたが濡れ藪の水が弱体な雨上衣を通して滲み込み、下着まで濡れ始めていました。
飲み食いをしながらしばらく休憩して考えた結果、年老いて自律神経系の働きが悪くなっているのに着物が濡れている状態で山中に留まるのはマズイと判断。
猿倉に引き返すことにしました。

  猿倉に帰って後半2泊の繰り上げを頼み、部屋に入って入浴着換えのあと、ザックの中をチェックしてみたら濡れ藪と擦っているうちにかなりの量の水が入った事が分かりました。
特に最低部に納めてあった寝袋の水防ぎが不十分だったため絞ると水が滴る程濡れていました。
着換えもスタッフザックの内張りにしたレジ袋の口元をしっかり閉ざしていなかったたため、一部が濡れていました。

  この夜はひと雨降り、翌日も晴れませんでした。
前夜山菜料理が美味しかったため全部平らげたのが食べ過ぎで夜寝る前に下痢をしたこと、などを考え合わせれば、撤退したのは正解で、もし山中にとどまっていたら非常に厳しい状態に陥ったのではないか、と思いました。
<南八甲田ルートの詳細>



GPS スライドショー



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8月2日(霧)
<行動時間>

   猿倉温泉[9:51]=(バス)=[10:13]酸ヶ湯[11:06]=(バス)=[11:24]仙人橋-赤沼入口(11:30/35)-分岐(12:00)-赤沼沼尻(12:17/25)-松森山(13:07/15)-巨大倒木(13:54/56)-沼巡り遊歩道(14:25)-月沼(14:29)-(14:53)蔦温泉[15:05]=(バス)=[15:21]猿倉温泉
<概要>
    南八甲田のあとの疲れ直しで登ることにしていた松森山に行きました。
蔦温泉の背後にある南八甲田の前山ですが山が小さいため短時間で登れます。

  松森山の登降に必要な時間とバスの時間表とを見比べ、まず酸ヶ湯に上がることにしました。
酸ヶ湯までゆけば DocoMo が繋がると聞いていました。
携帯がつながれば気象情報をチェックし、天気予報によっては十和田に行く日を一日繰り上げ、滞在日数をふやすために必要な連絡をすることもできます。

  猿倉から酸ヶ湯までは僅かな距離ですが、ところどころ青空が見え、薄日があたるくらいの天気でした。
猿倉のあたりの霧雨続きはヤマセの影響によるごく局地的な気象現象ということが確かめられました。

  11時過ぎのバスで蔦温泉に向かいましたが、睡蓮沼のあたりで霧の中に入り、猿倉、谷地と谷を下ってゆくにつれて霧が濃くなってゆくようでした。

  この日は降られることはありませんでしたが、赤沼から先はゴアパンツを着け、濡れ笹薮の中を歩くことになりました。
特に松森山から蔦温泉への下降路は藪が深く、3箇所で大きな倒木がルートの上に覆いかぶさっていて、ルートファインディングが難しいところもありました。

  ルートの詳しい状況は下の GPS スライドショーで分かると思いますが、猿倉に戻ったあと番頭に聞いたのは "あそこはもう人が登らない山になっている" と言う話でした。
蔦温泉バス停で山慣れた感じの中年カップルに出遭いましたが、彼らも途中でルートを見失い、後退せざるを得なかったという事でした。
この山はもう一般ハイカーが立ち入るには問題が多い状態になっている、と思うべきです。

 
<松森山ルートの詳細>



GPS スライドショー



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8月3日(曇りのち晴)
<行動時間>

    猿倉温泉[8:00]=(宿の送迎車)=[8:15]酸ヶ湯(8:30)-小休止(9:18/23)-八甲田清水(10:10/20)-八甲田大岳(10:15/30)-大岳避難小屋(11:45/50)-田茂萢岳道合流点(12:18)-上毛無岱池塘(12:30/45)-城ヶ倉温泉分岐(13:30)-(13:55)酸ヶ湯バス停[14:26]=(JRバス ミズウミ#10)=[15:53]宇樽部{民宿湖畔泊}

北八甲田 上毛無岱にて    (クリックすると拡大スクロール)
<概要>
    北八甲田はみちのく山巡りをはじめたとき、まっさきに歩いた山のひとつです。
たまたま台風が三陸沖を北上中で、霧と強風の悪コンディションとなり、田茂萢岳から赤倉岳を経て大岳避難小屋まで尾根伝いをしたところで小屋に逃げ込み、仮泊しました。
翌朝も雨模様が続いていたので毛無岱を通って酸ヶ湯に退避しましたが霧雨に烟る毛無岱がとても美しかったのが記憶に残っていました。
大岳の頂上も踏み損ねていたので、かねてより再訪したいと思っていました。

  宿に出してもらった車で酸ヶ湯登山口に着いたらあちこち青空が覗き、かなり良い天気です。
この山旅始まって以来の好天の空を眺めながら身支度を整え、気分よく大岳登山口に入りました。

ポピュラーな山でルート整備も行き届いているので、天気が良ければ登山道を歩いてゆくだけで登れてしまい、特に記すこともない程で、詳しい状況は下のリンクから GPS スライドショーなどを見て頂ければ十分か、とも思います。
  仙人岱の休場では、美味しい山の清水を飲みながらまわりの湿原と山の眺めを楽しみました。
大岳への登りは後半が少しきつくなりましたが、労苦と引き換えに展望が開けました。
南八甲田方面は相変わらず局地的に天気が悪いようで雲がかかっていました。

  大岳はロープウエイで田茂萢岳に上がり、赤倉岳から尾根を伝わってくる人が多いようで頂上広場はそちらから登ってきた人達で賑わっていました。

  頂上は霧に囲まれて視界が閉ざされていたので展望盤の写真を撮って山を下ろうとしたところ、急に霧の隙間が流れてきて小岳や赤倉岳方面が見えました。
素早く写真を撮ったあと山の裏側を下って大岳避難小屋のある鞍部に着きました。

  暴風が吹きすさんだ夜の安全を確保してくれた小屋の内部を覗いたあと、キンコウカやウメバチソウなどが咲いている上下二段の毛無岱湿原の木道を歩いて酸ヶ湯に下山しました。
酸ヶ湯は広場の端にとても美味しい山の水が引いてあります。
顔や首筋の汗を拭き、喉を潤したあと、午後早い時間の十和田行バスに乗り、焼山、奥入瀬経由、十和田湖畔の宇樽部へ移動しました。
<北八甲田ルートの詳細>



GPS スライドショー



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8月4日(曇り時々晴)
<行動時間>

    宇樽部[8:36]=(バス)=[9:05]石ヶ戸(9:20)-ベンチ(10:00/10)-雲井ノ滝(10:19/10:27)-中間点のベンチ(10:55/11:05)-玉簾ノ滝(11:35/40)-銚子ノ滝(12:05/15)-子ノ口水門(12:35)-(12:43)子ノ口ターミナル[13:00]=(十和田湖遊覧船)=[13:50]休場[15:00]=(バス)=[15:06]宇樽部
<概要>
  南八甲田敗退のお蔭で1日余裕ができました。
北八甲田のあとの疲れなおしも兼ねて奥入瀬渓谷中程の石ヶ戸へ行き、子ノ口まで遊歩道を歩いたあと、十和田湖遊覧船に乗って休場まで観光をしました。

  普段、尾根ばかりで谷はあまり歩かず、まとまった谷は笛吹川東沢、湯檜曽川、大杉谷くらいですがこれらと比べるとかけ離れて穏やかな谷でした。
国内にもこんなに穏やかな谷があるのか!、と思いました。
<奥入瀬・十和田ルートの詳細>



GPS スライドショー



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8月5日(晴時々曇)
<行動時間>

    宇樽部(7:15)-登山口(7:33)-669.4m三角点付近の尾根上(8:14)-小休止(8:15/20)-展望所?(8:38)-洗掘V溝入口(9:15/20)-十和田山(9:40/45)-展望所?(10:30/35)-登山口(11:15)-(11:30)宇樽部(民宿で汗流し着換えて昼食)-バス停[13:05]=(JRバス)=[13:11]休場[15:20]=(JRバス オイラセ#26)=[17:35]八戸駅[18:01]=(ハヤテ#178)=[21:32]東京=大手町=[22:29]宮崎台
<概要>
  最終日に十和田湖の展望台と言われている十和田山に登りました。
泊場の宇樽部から2時間ほどで頂上に上がれるので、軽い半日ハイキングのつもりでしたが3日前に登った松森山と同様、笹薮が深くて意外な手応えがありました。
  まず問題だったのは車道から登山口に向かう入り口の目印が撤去されていた事で、タダでは入り口が分からない状態になっていたことでした。

  前の日の夕食のとき、宿の主人から手書きの地図を貰ったので食後の散歩がてら下見に行ったのですがよく分からずウロウロしているうちに薄暗くなってしまいました。
仕方なく道端の家の台所にいたお神さんに声をかけたところ、わざわざ出てきて丁寧に教えてくれました。

  数年前に奥入瀬遊歩道で樹上から落ちてきた枝が人に当たる事故があり、遊歩道の管理責任を問う訴訟が起きると、県(?)から指示された森林管理組合の人が来て標識を撤去してしまったのだそうです。
せめて "登山は自己責任で" と記した標識を残したら、と言ったのだが "責任があるから" と、聞き入れて貰えなかったのだそうです。

密藪に囲まれた十和田山から見えた戸来山と十和利山    (クリックすると拡大)
  最終日なので早めに宿舎を出発。
薄暗いのと明るいのとでは様子が違い、危うく入り口を通り過ぎかけましたがすぐに戻って無事進入。
畑の境の土手を歩いて行った先に "十和田山登山の人は柵の間を進んでください" と記した看板が立っていました。
その先の橋を渡ってさらに直進すると山裾につきあたった所に "十和田山" と記した道標がありました。

   山道に入って沢溝の底を登って行き、地形図に三角点マーク(669.4m)が書きこまれているあたりで尾根の背に乗るまでは別段のことはありませんでした。
ひと登りした所から斜面を斜上して西隣の尾根に乗り移ってもうひと登りするとガイドマップに "展望所" と書き込まれているあたりになるのですが、その先から次第に笹藪が深くなり、何度か胸丈ほどの笹を掻き分け、押し通るようになります。

  踏み跡は明瞭で途切れることなく、藪が深い割にはルート判断は容易でした。
順調に高度を稼ぎ、頂上直下の登りにかかると洗掘で道形がV字溝状になっている所があります。
V字溝の上を笹が覆ってトンネルになっているため吹き込む風が涼しく、ひと息入れるのに格好の場所になっていました。

  小休止のあと、笹の下を潜るようにV溝を登り、短い固定ロープ過ぎるとまわりの笹が低潅木に変わって傾斜が緩みました。
最後の20m ほどは潅木が密生していて通り難くなっているのを強引に押し分けて進んだらヒョッコリ頂上広場に飛び出しました。

十和田山頂上のアキアカネ    (クリックすると拡大スクロール)

  藪に囲まれた直径7~8m 程の切り開きのまん中に三角点標石と山名標がありました。
十和田湖外輪山の最高所で360度の視界が得られましたが上のパノラマ写真のように目の高さほどの藪に囲まれていて低い所が見えません。
僅かに、戸来山から十和利山への連なり、奥入瀬渓谷の東の山上に広がっている牧野、雲がまつわる八甲田山、鍋の落とし蓋のように霧が被さっている十和田湖などを見ることはできました。

下山は登ってきた尾根道を戻るだけですから気楽で、藪を押し分けながら順調に高度を下げて登山口に戻りました。

  宇樽部に戻ったあと宿の主人に笹薮の状態を話したところ、もう5~6年ほど笹藪の刈払いが行われていないと言うことでした。
あと2~3年の間は藪山に慣れた者なら登降できるでしょうが、それを過ぎると鉈でも持ってゆかないと頂上付近の密藪を通過するのが難しくなるかも、と思いました。

  3日前に登った松森山もそうですが、この山はいま、分県ガイドブックや案内地図に記されているような軽ハイキングの対象にはならない状態になっています。
行政機関が責任を免れるために標識を撤去し、藪払いを停止したと言うなら片手落ちで、あらゆる手立てを講じて一般のハイカーが立ち入らないよう、ルートの現状を知らせる努力をすべき、ではないかと思いました。
 
<ルートの詳細>



GPS スライドショー



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☆おわりに
      南八甲田への久し振りのテント山行は、山域一帯でヤマセの影響による局地性悪天候が続いていたため、あえなく敗退となりました。
想定外だったとは言え、ザックの浸水や雨衣備えが不十分だったことは、年とともに基本的な生理適応力が落ちてきている今、反省点でした。
  その一方、北八甲田はかなりの好天に恵まれ、素晴らしい登りなおし山行ができました。
松森山と十和田山では想定外の深藪と出逢うこととなったのと引き換えに、ちょっぴりバリエーションの気分を味わえる楽しい藪山歩きできました。

  また、あまりの一日を活用して奥入瀬渓谷遊歩道を歩いたあと、十和田湖遊覧船にも乗って観光もできました。
単独年寄りの夏の山行としてはこの程度で満足せねば、と思える山旅だったのではないかと思っています。