大磯、高麗山から千畳敷へ (2010.2.8)

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☆期日/天気/山行形式: 2010年2月8日 薄曇り 単独軽ハイク
☆地形図(2万5千分1): 平塚(横須賀9号-3)
☆まえがき
    前回の山行で鳶尾山から八菅山まで歩いたあと、分県ガイドブック神奈川編に掲載されている山でまだ登っていないのは大磯の高麗山だけとなった。
大磯駅(15)から歩き出せば1時間ほどで168m の高麗山頂上に達し、そこから30分ほどの尾根伝いをすれば最高点の浅間山(181.3)を経て千畳敷の湘南平公園に着く。
湘南平からは1時間足らずで大磯駅に下山できるから、ごくミニ版のハイキングということになるが寒中の年寄りの運動としてはちょうど良い。
春の兆しとともに空模様がやや不安定になっていたので気象情報をウオッチし、晴れ間を狙って出かけてみた。
とても穏やかな天気でほとんど無風だったせいで霞が立ちこめ、絶景とも言える湘南平からの富士山が雲間に紛れ気味だったのは残念だったが海と山の広大な展望に恵まれ、"残り物には福がある" のことわざ通りの山行になった。

千畳敷 湘南平レストハウス屋上の展望、正面の富士が左に箱根、右に丹沢を従えている   
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☆行動記録とルートの状況

<行動時間>

宮崎台[10:16]=溝の口=自由が丘=横浜=[11:46]大磯駅(11:55)-高来神社(12:25)-高麗山(12:45/50)-八俵山(12:55/58)-浅間山(13:15/20)-湘南平(13:25/14:00)-善兵衛池(14:15)-(14:37)大磯駅[14:46]=横浜=自由が丘=溝ノ口=宮崎台

  ルートの詳細な状況は EveryTrail の GPS スライドショーでご覧頂きたい。

<概況>
    大磯駅から平塚の方に向かって旧東海道筋を約1.5Km 歩いた所にある高来神社本殿の背後に登山口がある。
高来(タカク)はもともと高麗(コマ)だったのが。前の戦争のときの文化行政の圧力で無理やり社名を変えさせられそうになったのを当て字と音訓ふた通りの読み方を利用して誤魔化した結果のようだ。
社殿の脇には立派な文字で "高麗神社" と刻んだ石柱が立っていた。

  神殿の背後から始まる登山道が男坂と女坂に分かれていたので右手の女坂を登った。
大木が林立する鬱蒼とした暖地林が美しかった。
山林が神域として保護されてきたためだろうか?
高麗山の頂上は園地のような広々した平坦地で、奥手の一段高くなった所に旧社殿の礎石が残っていた。

高麗山の頂上     (クリックで拡大)
  高麗山の先は岩混じりの細尾根に変わった。
山城の防御施設と思われる尾根の切り欠きに架けられた橋を渡って八俵山に着いた。
小田原攻めの時に上杉軍が陣取ったなどと歴史を記した看板が立っていた。

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八俵山から先は穏やかな尾根になって、両側の森と樹木の間から見える景色を眺めながら進んだ。

  徐々に高度を上げて行く途中にはスイセン畑や彼岸花の群生地などがあった。
浅間山頂上は標高 181.3m でこの連山の最高点。
古い石祠と一等三角点標石があり、雰囲気の良い場所だった。

  その名が示す通り、かつて富士講の遥拝所だったと記した看板が立っている。

  山の北側は濶葉樹林で、葉が落ちているので見通しが利き、相模野から丹沢方面を望むことができた。
浅間山北面の樹林とその先の眺め     (クリックで拡大)
浅間山と千畳敷の鞍部     (クリックで拡大)



  浅間山の先で手摺付きの短い急な階段道を下った。

  小さな鞍部から緩やかにひと登りして巨大な電波塔の脇に登りついた。
鉄塔の脚の間に機器を納めた建物があり、入口にNHK・TVKほか民放各社の中継施設であることを示す看板が架かっていた。


  広場に出かかったところで見たら電波塔の中段回廊に上がれそうなことが分かったので鉄の階段を上がってみた。

  西から北にかけて雪でまだら模様になった丹沢から、大山、相模野の展望が広がった。
湘南平電波塔の展望、西から北へ     (クリックで拡大)

  回廊の東の角まで回って行くと、北から北東にかけての視界が広がった。
足下は今歩いてきた尾根筋で、その先に平塚、湘南海岸、江ノ島が靄っていた。
湘南平電波塔の展望、北から北東へ     (クリックで拡大)

  千畳敷は学校の校庭のように広く平らな所で、湘南平と称する公園になっていた。
広場の右手に青塗りの展望台、左手には野外ベンチ、奥手にはオブジェのような変わった形のレストハウスが立っていた。
千畳敷 湘南平公園の広場     (クリックで拡大)
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  広場の端から駐車場に出る道の角にわが国近代登山のパイオニアーの顕彰碑が立っていた。
小島烏水とともに槍ヶ岳に登頂し、日本山岳会を創立した岡野金次郎翁だ。

  晩年は大磯に住み、骨を埋めたと言うが、山好きな人がなぜ湘南海岸に?、と思ったが、このあとレストハウス屋上の展望台に登って謎が解けた。
箱根と丹沢を左右に従えた富士山は、絶景と言っても過言ではない。(ページ冒頭スクロールパノラマ写真)

  レストハウスはオブジェのような面白い形の建物で、二階がレストランになっていた。
地物の麺類などに特徴があるようで、ラーメンもごくまともで美味しかった。
  レストハウス屋上正面の展望は冒頭パノラマの通りだったが左手の方は大磯海岸で、相模の海の先にはウッスラ、伊豆半島らしい山影が見えていた。
空気の澄んでいる日にもう一度、この屋上の展望台に来て景色の見直しをせねば、と思った。

千畳敷 湘南平レストハウス屋上の展望    (クリックで拡大スクロール)
  軽い気持ちで登りにきた山だったが美しい森と海・山の大展望と、望外の収穫が得られ、大いに満足して山を下った。
屋根の南斜面は高い所まで車道が通じ、山の上も集落がある。
わずか下っただけでもう人家が近付いてきた。
洒落た作りの建物が多い。
大磯は昔、東海道の宿場だったがのちには別荘地・静養地として発達したせいだろうか?
車がほとんど走ってこない静かな住宅地の中の道をブラブラ歩いてゆくとすぐに東海道線の線路に突き当たった。
地下道で線路の下を潜って海側に出て、僅か歩くと大磯駅だった。
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☆おわりに
    大磯高麗山はわずか2時間あまりで歩ききれたお散歩ルートだったが、大木が林立する森があり、富士山をはじめとして海と山の眺めがとても良かった。
山行前の数日、寒中の冷え込みで体が冷えて鼻風邪状態が続いていたが、山道を歩いたお蔭で身体が暖まり、すっきり治ってしまったのは嬉しかった。

湘南平レストハウス屋上の富士展望は絶景だったが霞と雲のためもうひとつだった。
大気の澄む日に是非とも再訪したい。