前日光、古峰ヶ原-三枚石-横根山-井戸湿原(2010.6.6-7) |
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☆期日/山行形式: 2010年6月6-7日 山上ロッジ1泊2日 ☆地形図(2万5千分1): 古峰原(宇都宮5号-3)、足尾(宇都宮9号-1)、日光南部(日光号8-4) ☆まえがき 古峰ヶ原から三枚石、横根山への尾根連なりは、日光を開山した勝道上人所縁の日光修験禅頂行者道の南端部にあたる。 日光中禅寺湖畔から茶の木平、細尾峠、地蔵岳を経てハガタテ、古峰神社までは既にトレースし、次は古峰ヶ原以南も、と思っていた。 日帰りも可能と思ったがせっかくだからなるべく長く山の中に居たいと思い、山上にある前日光ハイランドロッジ泊りの2日行程とした。 梅雨入り時に2日続きの晴天、と言う幸運に恵まれ、溢れるばかりの新緑に、アカヤシオツツジの紅とズミの花の白が映える山を、雄大な展望を楽しみながら歩き、70を過ぎてなお、山を歩ける幸せを味わった。 |
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象の鼻の展望、赤城山、袈裟丸山・皇海山から日光連岩へ (画像クリックで拡大スクロール) |
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☆行動記録 6月6日(晴のち曇) <行動時間> 宮崎台[6:59]=(東急田園都市線)=北千住=(東武日光線)=東武新鹿沼[10:25]=(リーバス)=[11:18]古峰原神社(11:25)-小休止(11:55/12:00)-登山道入口(12:07)-へつり地蔵(12:15)-古峰原高原(12:45)-深山巴の宿(13:00/05)-古峰原高原(13:20/30)-天狗の庭(14:12)-三枚石(14:20/30)-方塞山(14:50/15:00)-前日光ハイランドロッジ(15:30/16:00)-象の鼻(16:40/50)-(17:15)ロッジ{食事付宿泊} |
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<概要> 各地でバス路線が廃止されている中で鹿沼地域は市の補助て運行が維持されいる。 古峰神社へは定期便でアプローチ、上五月からはデマンドバスで口粟野旧役場前まで出れば鹿沼行き定期便に乗り継げる。 山上の前日光ハイランドロッジも市営の宿泊施設だからこの山域を苦労せずに歩けるのは、地元の支援のお蔭、ということになる。 古峰神社は山深い所にあるが、参詣が衰えていないようで、数年前に通った時と同じように大型バスや車が来ていて、門前町は小奇麗だった。 |
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神社鳥居の脇から舗装車道を小1時間歩いた所に登山道の入り口があった。 沢沿いの歩道に入ってひと登りでへつり地蔵を通過する。 そのあとは、もとは車道だった感じの簡易舗装路を歩いたり、ショートカットをしたりしながら高度を上げた。 夏至まじかで日差しは強かったが爽やかな風があったのがありがたかった。 |
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沢を渡って小尾根を登って行き、右手に大きくヘヤピンを描いている車道が見えたあたりから傾斜の急な所に断続している丸太階段を登り、やがて古峰ヶ原の一角に出た。 原の入り口の広場には思いがけない数の車が来ていた。 足尾の方に向かって15分ほどの所にある深山 巴の宿に立ち寄ってみた。 かつて日光修験の本拠だった場所だが、たまたま花供養の日にあたり、儀式を終えた大勢の行者と信者が帰ろうとしている所だった。 |
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花供養の行者と信徒で賑わう古峰ヶ原 (画像クリックで拡大スクロール) |
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古峰ヶ原に戻って東屋の蔭に入り、ひと休みした。 天狗の庭から三枚石を目指して尾根道を進んでゆくとホラ貝の音が響いてきた。 三枚石のあたりで吹いているようだったが、頂上近くまで行った所で大勢の行者と出遭った。 三枚石は三昧岩とも言われ、古峰神社の下手にある金剛山の奥の院とされている。 大石の脇の祠には不動明王が祭られ、その横には理源大師の像や那智西岸渡寺の名を記した祈祷札があって熊野修験とも繋がりがあるように思われた。 |
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穏やかな鞍部から緩やかに登り返して方塞山の頂上に着いた。 右手に分かれる道の入り口に粕尾峠と記した道標が立っていた。 野外テーブルの先を牧場の柵が横切っていてその前まで進むと、広々した前日光牧場を眺めることができた。 牧場の柵に沿った道を進んでゆくと、横根山が徐々に近づき、ロッジの建物が見えてきた。 |
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牧場の奥の方に前日光ハイランドロッジが見えてきた (画像クリックで拡大スクロール) |
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何度かアップダウンを繰り返しながら牧場の柵に沿う道を進んでゆくと、古峰ヶ原から方塞山の肩を乗り越してきた車道が近寄ってきた。 やがて20m 程の柵の間の通路を通って道路に合流。 出た所から左手に300m 程、登り気味に歩いてロッジの前に着いた。 もう午後3時過ぎだったが、好天の日曜にドライブできた家族連れがまだ大勢いて、賑やかだった。 ロッジに宿泊を申し込んで部屋を決めてもらい、ひと休みしたあと象の鼻まで行ってくることにした。 次の日の天気がどうなるか分からず、この日のうちでないと景色が見られないかも、と思ったからだった。 |
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象の鼻まではごく緩やかな上り坂の遊歩道が続いていた。 古峰神社から登ってきた高度差は大したことなかったのだが老化した筋肉のあちこちが代わるがわる痙攣しかかるのが気持ち悪かった。 凝り固まりそうになる筋肉を宥めすかしながらユルユルと歩いた。 あと僅かで象の鼻と言うところに発光路(ホッコウジ)への下降路を示す道標が立っていた。 急な斜面をひと下りすると林道があり、上粕尾の山の神から発光路に行けるらしい。 |
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(画像をクリックすると拡大) |
象の鼻は想像をはるかに上回る素晴らしい展望スポットだった。 ページ冒頭のパノラマのように赤城山から袈裟丸山、皇海山を経て奥日光連山まで、180度の大展望が得られた。 南の方は関東山地南端部に近いのだが、平野の手前にはまだ幾重にも山が連なっている。 上空に伸びてゆく一筋の飛行機雲が印象的だった。 |
心行くまで展望を楽しんだあとロッジに戻った。 今少し歩けばロッジと言うあたりでは、傾いた日に照らされた道端のツツジが綺麗だった。 |
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前日光ハイランドロッジは頂稜直下にあって素晴らしい展望に恵まれていた。 牧場とともに鹿沼市営の施設だが所管部門は別だそうだ。 宿帳も鹿沼市長あてに住所氏名を届け出る書式だった。 ロッジはこの夜、ほかに客がなく、至って静かな泊まりだった。 食事はボリュームたっぷりの焼き肉。 とても美味しかったが少々食べ過ぎて腹の具合を悪くした。 |
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<Every Trail の GPS アルバム> 古峰原-三枚石-方塞山-象の鼻 元画像のスライドショー |
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6月7日(曇のち晴) <行動時間> ロッジ(8:00)-横根山(8:25/30)-井戸湿原(9:00)-五段の滝(9:15)-日瓢鉱山下降点(9:40/45)-日瓢鉱山事務所(10:00/15)-上五月園地(11:15/20)-(11:25)ツツジの湯[13:30]=(デマンドバス)=[14:10]旧粟野役場[14:29]=(リーバス)=[14:50]東武新鹿沼駅入口-(14:55)新鹿沼駅[15:39]=(東武日光線)=春日部=溝の口=[18:48]宮崎台 <概要> 夜明けが早い時期のため、あたりの明るさで目が覚めたのは5時すぎだった。 窓を開けたら青空が広がっていた。 出発前にチェックした予報は曇りだったので良くても霧の中を歩いて下山、と想定していたところが、望外の好天に恵まれることとなった。 恒例のコーヒのあと、デジカメを持って外に出た。 遊歩道を少し進んだところでは袈裟丸山から皇海山への山並みが朝日を浴びていた。 |
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快晴の早朝 袈裟丸山から皇海山への山並み (画像クリックで拡大スクロール) |
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ロッジの北側の高みに上がると男体山から女峰山への日光連山と、半月山から夕陽岳地蔵岳への禅頂道の連なりが一望だった。 |
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快晴の早朝 日光連山と禅頂道の山並み (画像クリックで拡大スクロール) |
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ゆっくり朝食のあと出発し、まず横根山に上がった。 横根山の頂上には三角点標石と東屋がある。 以前は見晴らしが良かったようだが、今は樹木に囲まれ、落ち着いた休み場に変わっている。 |
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(画像をクリックすると拡大) |
僅かに北の方は灌木越しに視界が得られ、ツツジの花の先に方塞山が見えた。 |
頂上の南側の丸太階段道を下ってゆくと東屋と数基の野外テーブルのある広場に出た。 前方に井戸湿原を見下ろす高みで、以前は粟野町営の避難小屋があったらしい。 さらに一段下ると木道が出てきて、鹿柵があった。 井戸湿原はこじんまりした湿原だが、なんとなく藪っぽく、やや乾燥化が進んでいるようだった。 春先に来れば雪解けの水がたまり、いろいろな花が見られるだろう。 |
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井戸湿原 (画像クリックで拡大) |
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湿原を横切って対岸に渡った所で左折し、鹿柵のゲートを通って上五月への下降点に向かった。 地形図に破線の記入がないルートを下降したが道形は明瞭で要所に道標が立ち、よく整備されていた。 (⇒末尾GPS軌跡) 井戸湿原から1時間足らずで日瓢鉱山事務所脇に着いた。 鉱山事務所脇で小休止のあと、さらに1時間ほど舗装林道を歩いて上五月の小園地に着いた。 粟野の観光案内地図を描いた看板、トイレ、バス停のポストがある。 |
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園地のすぐ下手で橋を渡るとにサツキの湯交流館があった。 この温泉は日瓢鉱山で湧きだしている鉱水を利用したものだそうで、露天風呂もある。 予約は2時間前までと言うタイムリミットぎりぎりで午後1時半のデマンドバスを確保したあとゆっくり温泉につかった。 食堂で食べた鹿沼蕎麦の味は格別だった。 デマンドバスは40分ほどで口粟野の旧粟野町役場前バスターミナルに着いた。 30分ほど待って鹿沼行きバスに乗り継ぎ、25分ほどで新鹿沼に戻った。 |
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<Every Trail の GPS アルバム> 横根山-井戸湿原-上五月 元画像のスライドショー |
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<おわりに> 梅雨入りが近く、雲の多い時季になっていたが望外の晴天続きに恵まれ、爽やかな北風がそよぐ中、長く気にかかっていた山を楽しく歩いた。 ロッジの泊まりは快適で、赤城山から群馬-栃木県境連山、日光連山などへの雄大な山岳展望を存分に楽んだ。 下山先の上五月は温泉と鹿沼そばが格別だった。 この山域では、足尾方面への尾根続きと、ハガタテから古峰ヶ原への尾根伝いが残っている。 紅葉の時季にまた行きたいと思っている。 |
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<ルート図> 井戸湿原から日瓢鉱山事務所への下降路は国土地理院の2万5千分1地形図に記されている破線とは違うところを通っている。 参考のため GPS トラックをカシミールで地形図に重ねたルート図を掲出する。 左に表示されているのはサムネイルで、クリックすれば拡大する。 縮尺はいい加減なので正規版の地図と対比されたい。 |
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