![]() 奥武蔵、芦ヶ久保-丸山-刈場坂峠-正丸峠(2007.11.12) ![]() |
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☆期日/山行形式: 2007年11月12日 単独、日帰り ☆地形図(2万5千分1): 正丸峠(東京13号-1) ☆まえがき 立冬を過ぎて遠くの山へ出かける季節が終わり、近在の中低山のシーズンになった。 久し振りでこの数年の間、低山シーズンの定番にしている奥武蔵に行くことにした。 足掛け4年通って尾根筋の未踏部も残り僅かとなったが、そのうちで一番目立つのは、この山域の最高点となっている丸山(960.3)のあたりだ。 行き帰りの交通と、行動時間との兼ね合いから、芦ヶ久保(300)-県民の森(885)-丸山(960.3)-大野峠(855)-刈場坂峠(820)-虚空蔵峠(715)-旧正丸峠(665)-正丸駅(300)と言う行程を設定した。 条件が良かったらもうひと山越して、新正丸峠(635)をまわって下山しても良いと思った。 |
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![]() 丸山頂上展望台から秩父方面の展望 (画像をクリックすると拡大、自動スクロールします) |
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近くの山への日帰り山行は準備が手軽だし、好天日を狙って出ける日を自由に調整できるのがありがたい。 週末降り続いた雨が上がるのを待って出かけてみたら "大当たり!"。 大気が透明で風がないという理想的な天気に恵まれた。 素晴らしい山岳展望を随所で楽しんだ。 自然林が多い地域だったため、紅葉も綺麗だった。 ☆行動記録とルートの状況 <タイム記録> 宮崎台[6:13]=溝の口=府中本町=新秋津・秋津[7:16]=飯能=[8:30]芦ヶ久保(8:45)-果樹公園村(9:10)-県民の森へ2.5Kmの道標が立つ登山口(9:20/25)-1.65Km道標が立つ防 火帯入口(10:00)-県民の森(10:35/50)-丸山(11:10/15)-大野峠(11:50)-刈場坂峠(12:15/40)-虚空蔵峠 (13:00)-旧正丸峠(13:45/50)-(15:00)正丸駅[15:25]=飯能=秋津・新秋津[16:37]=府中本町=溝の口=[17: 36]宮崎台 |
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◆芦ヶ久保駅では数人のハイカーが下車したがみな双子山の方に行ったようですぐに駅前広場から姿を消した。 広場のベンチで身支度を整えて出発。 階段を下って国道に出たところを左に折れ、僅か進んだところに "県民の森" と記した道路標識があった。 右手の山に上がる車道は舗装されているが意外に急坂で、まだ歩きモードになっていない身体には少々こたえる。 |
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要所にある標識を頼りに坂を登って行くと倉掛の山上集落に入る。 プラムなど果樹の栽培が盛んなようで、集落の上手にフルーツパークがある。 |
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背後を振り返ると横瀬川谷の向かい側に立っている双子山が見えた。 |
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"県民の森へ2.5Km" と記した道標があった。 車道なりに進めば果樹公園村を経て登れるようだったが、舗装路より山道の方が好ましいと思ったので右手の山道に上がった。 農家の後の斜面を斜上して行くと間もなく獣避けの網戸がある。 紐を解いて中に入り、戸締めをして先に進んだ。 |
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藪っぽい自然林、暗い桧林をしばらく登り続けて行くと木の子茶屋をまわってきた道が合流する。 (左) 合流点からひと登りで伐採地の中に出た。 パッとまわりが開け、秩父盆地とその先に西上州の山々への展望が広がった。(下) |
きのこ茶屋上伐採地の展望 (画像をクリックすると拡大します) |
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また林に入り、ひと登りすると防火帯状の広い道に出た。 埼玉トラック運送協会の寄付によって開かれた道だと記した看板と、県民の森まで1.6Km と記した道標が立っている。 ここから先は傾斜が緩み、穏やかな尾根の背を進んでゆくようになる。 とは言っても、所々にザレ気味で急になっている所があり、注意しないと滑りそうになる。 |
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3、4度、緩急を繰り返しながら登っていった先でグリーンラインの舗装車道を横切った。 |
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車道の向かい側を15分ほど緩やかに登って小ピークの頂に上がった。 狭い切り開きに立っている地図看板の脇から見下ろすと尖り丸屋根がいくつか見えた。 丸太階段を下って舗装路に降り立ったところは県民の森の事務所の前だった。 横手に公衆トイレ、左向いに大きな東屋休憩所がある。 道の突き当りの展示館には、この地域の自然や林業に関する展示があった。 水飲み場で喉を潤して出発した。 |
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丸山へは尾根筋からでも遊歩道からでも行ける。 遊歩道は舗装されていたが平坦で気分の良い道だった。 両側の木の葉はあらかた落ち、路面に積もった木の葉の掃除が行なわれていた。 |
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10分ほど歩いたところにトンネルがあり、その左脇の階段を登って尾根の上に乗った。 ひと登りで丸山頂上の展望台の袂に着いた。 展望台は宝くじの補助金で建たというプレートが嵌めてある巨大なコンクリート構造物でまわりの景色とはかなり不調和なものだった。 |
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展望台に上ると360度の視界が広がり、素晴らしい展望が得られた。 一番近くは双子山から武甲山で、その先、雁坂嶺から甲武信岳を経て十文字峠、三国峠あたりまで、奥秩父の山々がズラッと連なっている。 手前は秩父盆地で秩父の市街が広がっている。 (冒頭パノラマ) さらにその右手の方に目を向けると、奥秩父、両神山・双子山から御荷鉾山あたりまで。 遠くの雲間に浅間山、その右に鼻曲山、さらにその右手に浅間隠山らしい山影が見えた。(下) |
![]() 丸山展望台、奥秩父・西上州方面の山岳 (クリックで拡大、IEでは自動スクロールします) |
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御荷鉾山の右手あたりからは関東平野が覗き、その奥手に榛名山、赤城山、そして日光連山などがそれと分かる姿で立ち並んでいた。 手前の山は白石峠から堂平山、傘山への支脈で、杉桧の濃緑と自然林の紅葉がパッチ模様になっている。(下) |
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展望台に上がったときは老ハイカーがひとりいたが、暫くするとひとり、次ぎは二人とボツボツ登ってくる人がいた。 大展望を求めてここに登って来る人は多いようだ。 ひと通り景色を眺め、写真も撮り終えたので下に降り、先に向かった。 わずか歩いた所に大きなアンテナ鉄塔が立っていて柵囲いの角でふた手に道が分かれていた。 大野峠へは右に入る。 真っ直ぐ下ってゆくと登ってきた若者3人組と、単独の若い女性すれ違った。 |
![]() 潅木の自然林の中を上下して進み、小ピークを越して行った所にパラグライダーの発進場があり、まわりの木が伐り払われていた。 視界が広がり、行く手に関八州見晴台を経て顔振峠方面へ繋がっている山脈が縦観できた。 |
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広場右手の吹流しの脇を下って行くとすぐに大野峠の車道に出た。 出口に東屋があり、道標が立っていた。 大野峠から先は舗装車道を歩いた。 脇の杉林の中を歩道が通っていたのでちょっと入ってみたのだがアップダウンが多い割りに近道にならないみたいだ。 週日で車もあまり走ってこないので、車道をノンビリ歩いた方が楽だし、景色も良さそうだと思った。 |
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ゆるゆる歩いて刈場坂峠に着いた。 りんどう小屋は建物の大部分が吹き抜けの東屋式だった。 じいさんとおばぁさんがいて、山菜や豆類など、車で通り掛る人を相手の地元(?)物産を並べていた。 蕎麦があったら食べたいと思っていたがそれはなく、代わりに "おでん" を食べた。 湯に浸して温めたこんにゃくに田楽味噌をかけたもので、子供の頃よく食べていたもので懐かしい味がした。 おでんをお菜にバナナを食べてお昼にした。 |
小屋の裏庭に出てみると目の下は都幾川谷だった。 谷の向かい側の堂平山から都幾川山への尾根続き、谷の出口の先に広がる平野の眺めが綺麗だった。 |
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正丸峠方面へは、尾根に上がるか小屋の正面の車道を進むか、どちらでも良かった。 車はあまり来ないし遠回りでもなさそうなので車道を進むことにした。 20分ほどで虚空蔵峠に着いた。 尾根を乗越す車道のカーブの先に東屋が立ち、"正丸峠へ" と記した道標が立っていた。 |
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東屋のすぐ先から急な丸太階段の登りになった。 登高差50m 程度の短い登りだが段段の土砂が流失したためハードル状になり、かなり登り難かった。 階段を登りきった小ピークの頂上には、右折するよう指示する道標が立っている。 |
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このあたりのルートは、大野峠以来の車道は勿論、丸山への登路と比べても、格段に山っぽい。 ピークの左肩をふたつ巻いて行った先で急降下して降りついた狭小な鞍部の笹薮の中には、"サッキョ峠" と記した道標が立っていた。 |
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向かい側のピークを乗越して行ったところは尾根が痩せ、ちょっとした岩稜になっていた。 大した難場ではないがこんな所でも転がり落ちれば命取りになる。 注意して通過した。 |
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さらにふたつほどコブを越して行った先で丸太階段を下り切ると旧正丸峠のい鞍部に降り立つ。 軽いローカットシューズのお蔭でここまで調子よく歩いてきたので、新正丸峠まで行ってみても良いと思っていたのだが、 峠の向かい側のカンゼ山へ約100m 程の急登を見ているうちに意欲が萎えてきた。 いい年をして無理に頑張ることもあるまいと正丸駅への下降路に入った。 |
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歩きやすい道を15分ほど下ると沢の水流の横に下り着き、すぐ横を車道が通っていた。 車道の向かい側を下れば駅の上手の八坂神社へ下れるようだったが少し色気があったので車道を左手に、新正丸峠に向かって歩いた。 ごく僅か登り気味に1Km ほどで "正丸峠ガーデンハウス" と古いガイドマップに記されている所に着いた。 あったのは茶屋でなくトレーラハウスだけ。 隣の駐車広場に左のような看板があった。 |
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駐車広場の横手に "正丸駅" と記した道標が見つかり、その脇から下降路が始っていた。 歩きやすい山道20分足らずで新正丸峠から降りてきた谷底の道に合流。 左のような案内看板と道標とが立っていた。 合流点の僅か下手に小さな鳥居が立ち, 祠があった。 お申(サル)講と呼ばれているそうだ。 |
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合流点から10分ほどで最奥の人家の前に出た。 ここは大蔵山と言う集落で、車道をちょっと下った所にある "馬頭さま" の祠の左脇から谷道を進むと伊豆ヶ岳に行ける。(左下) 馬頭様から正丸駅までは通った事があって様子が分かっている。 時間も早いのでノンビリ歩きながら秋色の山村風景を楽しんだ。 |
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今回は、靴が軽かったせいもあって、意外に良いペースで歩けた。 前回の熊野から二週間ほどで間隔が空きすぎなかったためか、脚の何処かが痛んでくるようなこともなかった。 それなりにうまく歩けたことに満足して駅に着いた。 電車の待ち時間があったので駅前売店に入って蕎麦を食べ、刈場坂峠の埋め合わをした。 |
店を出がけにひと袋買って家に持ち帰った香煎棒がとてもうまかった。 次に行ったときには2、3袋買って帰りたいと思うくらいだった。 |
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☆おわりに 春以来、久し振りの奥武蔵だった。 天気は最高で体調も良く、気持ちよく歩ききれた。 奥武蔵は頂稜付近を車道が通っていて山っぽさが希薄な所もあるが、週日に行けば車が少なく排気ガスを浴びせられる事もない。 車道は展望スポットが多いのでノンビリ歩ければ良い山上散策ルートになる。 次は高山不動から刈場坂峠あたり。 車道歩きを楽しみたい。 |
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