湯触-大野山-深沢-山北 (2005.3.18)
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☆期日/山行形式: 2005.3.18 前夜泊(中川温泉) 4人パーティ(浅沼、釜田、杉山、齋田)
☆地形図(2万5千分1): 山北(東京16号-4)
☆まえがき
一年余り前に参加した "シニアグループ" 仲間の3人と大野山に登った。
いつかの月の歴史散策のあとの懇親会で、山の温泉に行ってみようかという話が持ち上がり、その最初のテストケースとして西丹沢の中川温泉に出掛けることとなった。
良さそうだとは思いながらいつも素通りしている中川温泉に入る絶好のチャンスと思って参加申し込みをしたのだが、"山屋"
の端くれとして、せっかく西丹沢まで行ったのにどこにも登らずという訳には行かない。
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大野山、肩の広場から箱根山、右遠くは金時山 (クリックで拡大します)
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行き帰りにどこかに登りたいと、幹事に申し出たらOKが取れた。
おまけに、翌日ゴルフに行かない参加メンバーも山に行ってみたいと言い出した。
初めの計画では、初日に単独で大野山を越して中川温泉に入り、二日目にグループで犬越路を越し、神ノ川から青根に出ようということだったが、犬越路は天気予報が芳しくない上に、頂稜部の積雪が40cm ほどもあって
"山に不慣れなお年寄り" を連れ込めるような状態ではないことが分かったので中止。
さらに、初日も雨だったため、大野山を諦め、玄倉から丹沢湖岸道路を歩いて中川温泉に入るだけで終わったのだが、幸い二日目の天気が良くなるという予報が出たので、俄か仕立ての計画で、ゴルフに行かない4人で大野山を越して帰ろうということになった。
メンバーのうち二人は山慣れてはいなさそうで、この俄かパーティの足並みがどの程度になるのかまったく予想が立たない状況だった。
さらに、一人は数日前に引いた風邪が治りきっていないため、医者が処方した薬を飲みながらの参加だった。
低山とはいえ、山麓から頂上まで、そこそこの登高差はある。
中腹までタクシーで運び上げて貰い、ひと登りで頂上に上がってしまおうという、"ズル登頂" プランに切り替えた。
実際に歩いた結果として、久しぶりにパーティで山に登ってとても楽しかったのだが、少し手抜きをすると、まったくズッコケてしまう、生来の悪い癖が露呈して、ろくろく写真も撮らず、時間記録も欠落だらけになった。
このレポートは、あるかなきかのメモと、わずか10駒あまりのデジカメ画像の時間データが頼りの根拠薄弱な代物だが、普段掲出している記録の真面度に免じてご容赦を乞う。
☆行動記録とルートの状況
<タイムレコード>
中川温泉[8:45]=(タクシー\4090)=[9:05]湯触登山口(9:10)-十字路(10:00)-大野山肩の広場(10:15/25)-大野山頂上(10:30/11:00)-鹿牧場(11:45/12:00)-(13:30)山北駅[14:07]=[14:15]松田/新松田[14:24]=[15:09]相模大野[15:18]=[15:22]中央林間[15:27]=[16:01]宮崎台
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いつもの丹沢山行と違って、宿でゆっくりたっぷり朝食を食べたあとのんびり準備を整え、前夜に予約した地元のタクシーが来るのを待った。
8:45に出発。
丹沢湖畔から神縄トンネルを抜け、用沢の下手まで下って山に上がる。
走り出して20分ほど、湯触集落の奥手で、谷峨駅から上がってきた登山道と車道とが交差している所に着いた。
簡単に支度をして山道に入る。
初めてのメンバーゆえペースが分からない。
山慣れているKさんにトップをお願いし、他の二人の様子を窺いながら登りだした。 |
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30分ほど歩いたところで小休止。
心配した二人がかなり頑張ってくれたところへ、前の日に不注意で作った両踵の肉刺のハンデが重なって随いて歩くのが精一杯だった。
休憩地点からさらにひと登り、最後は急な草の斜面をジグザグに登って山の肩に上がった。
ここは山上に広がっている県営牧場の端にあたっていて、牧場の外側を回る遊歩道が整備されているのだが、立派過ぎる柵は、少々人工的な感じがしないでもない(左)。
バシャバシャ雨が降っていた前日とは打って変わった好天になって酒匂川谷の向う側の箱根山が穏やかに見えている(トップパノラマ参照)。
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遊歩道の見晴らし点に東屋を建てている工事場の少し先で右手に一段登ると送電線鉄塔が立っている。
その脇から右寄りに進むと広々した頂上広場にでた。
石祠と東屋があり、その間の遊歩道は両側が桜並木になっている(左)。
東屋の脇の草原に腰を下ろし、ジュース、コーヒ、ミニパンなどを口に入れながら休憩した。
ウイークデイのせいでほかに誰も居ない。
まわりのの景色を独占していい気分だ。
あと、三、四週間も経てば桜の花が咲き、草原も緑になってすばらしい花見、山見ができるようになるだろう。
裏腹に大勢の人で混雑するではあろうが... 。 |
わずかな時間に雲が消え、丹沢の山々が姿を現した。
檜洞丸、大室山、畦ヶ丸、その左手奥は大界木山あたりだろうか?
ただ、富士山だけは雲が取れず、7合目あたりから上が見えないのが残念だった。
見下ろすと丹沢湖の奥の谷間に中川温泉の家並みが覗いている。
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祠の横で登頂記念の写真を取ったあと下山を開始。
山北の市街近くまで緩傾斜の舗装車道を歩いて下るのだが、距離があるため足腰に相応の負担がかかる。
心配していた "風邪引きおじさん" の方は、歩いて血行が促進されたことで薬の効き目が出たのか、咳が収まったようだったが、それと入れ替わりに中腹から増えてきた杉林に舞う花粉のせいで別のメンバーがアレルギー気味となったのが気の毒だった。
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途中、中腹にあった鹿牧場と、谷底近くの延命水とで小休止をしたりしながらゆっくり歩いた。
深沢の谷底に降り着いた所で振り返ると、さっきまで居た頂上が遥か高いところに見えた(左)。
標高差の消化が終わって道が平らになってから山北駅までが意外に長く感じられた。
高くて長い東名高速道の橋の下を潜り、安戸のトンネルの脇で246号線に出たあと、御殿場線の線路の切通しの縁を歩いた。
線路の両側の桜並木は、皇居の千鳥が淵を連想した程だった。 |
山北駅に着いたのは、ちょうど、新松田行きバスが走り出したところだった。
次のバス、または御殿場線電車が来るまでの間に腹拵えをしようと駅近くの蕎麦屋に入った。
前日に雨で時間をつぶすため、山北で途中下車してお昼を食べた店だった。
親父さんにそのことを言うと、俄かに能弁になっていろいろお国自慢を聞かせてくれた。
駅まで来る途中で見た線路脇の桜は有名で、花吹雪の中を走る電車の美景を見ようと、全国からファンが集まるという。
☆おわりに
行き当たりばったりの俄か山行だったが、幸運にも、好天に恵まれたお陰で、楽で楽しい、楽々山行ができた。
参加メンバーにも満足してもらえたようだったが、久しぶりにパーティを組んで行動して、同じ山を歩いても、単独行とはかなり感覚的な隔たりがあるという事を
"再発見" した。
パーティで歩くのはとても楽しいので、さまざまな話が弾み、注意力のかなりの部分がグループ内に向かう。
人跡まれな山中に一人で居るときは、五感が鋭敏になって濃密な自然とのコンタクトがあるのだが、パーティ登山ではそのような感覚にはなりにくい。
パーティ登山と単独登山とは、よく似てはいても、別物のようだ。
なお、特筆すべきは中川温泉だった。
神奈川県広域水道関係者の研修所として作られた施設が一般にも公開されているのを利用した形だったが、バストイレは共同ながら、まっとうな宿泊室と良く温まるアルカリ単純温泉と、結構な食事とが揃って民宿と大して違わない料金だったので驚いた。
紅葉の時期にでもここに連泊し、周囲の登り漏らしている部分を総ナメにする山行を企てるのも一興か、と思った。
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