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◇ デジカメの興隆に伴って多種多様な画像ソフトが国内外で開発され、選り取り見取りの状態になっている。 しかし、これは頼りにできると思えるほどシッカリしたものは意外に少ないような気がする。 以下は、日常利用している画像ツール達である。 |
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プログラム名 | 機能/特徴 および 所在 |
高機能画像ビューアー ◎IrfanView (フリーウエアー) [詳細紹介スライド] ◎XnView (フリーウエアー) |
1990年代前半に、ウイーン工科大学の学生(Irfan Skijan)が開発した高機能画像ビュアー。 日本語 Language Package が提供され、日本語のメニューで使える。 オープンなサポート体制が出来上がっていて、さまざまなプラグインやアドオンソフトが寄せられているので、それらを組み込むと大幅な機能拡張ができ、動画や音声まで扱えるようになる。 (http://www.irfanview.com/) V3.99 から Ghostscript を組み込んで PDF の表示と画像の PDF 化ができるようになった。 V4.00 から VISTA に正式対応。 V4.10 でペイントツールが導入され、クローンスタンプや簡単な図形(+文字)の書き込みが可能になったほか、3種までの外部ツールの呼び出す設定ができるようになった。 GIMP などと連携すれば、デジカメ画像の処理でほとんど出来ない事はなくなる。 Linux には Irfanview のように強力で使い易い画像ビューアーがない。 Wine 上で Irfanview を使用するセットアップを行ったが、デュアルブート機では、Windows モードより Linux モードの方が、かなり動作が早い。 類似の画像ビューアーとして XnView がある。 こちらはフランス生まれのフリーソフトだが、対応データフォ-マットが450あまり、高機能スライドショウ、ヒストグラムによるトーン修正などを備え、IrfanView より一段高機能だ。 同国生まれの優秀なフリーフォトリタッチソフト: PhotoFiltre との相性もよい。 これから本格的なビューアーを導入すると言う場合は、こちらも有力な選択肢になるだろう。 |
高機能画像修正プログラム △PhotoFiltre および ◎GIMP (フリーウエアー) |
ヒストグラム補正の有効性を知ったので定番とされている Adobe社のフォトリタッチソフトを入手して使い始めたが、要りもしない機能がごった煮のテンコ盛りになっていてメニュー構成が分かり難いだけでなく、サムネイルインデックス作りやら何やらで立ち上がりがやたら遅いのに嫌気がさした。 気に食わないソフトは早いとこ放り出してしまいたかったが、ヒストグラム補正だけは代役を見つけないと困る。 方々探しているうちにフランス生まれのフリーウエア: "PhotoFiltre" を探し当てた。 レイヤーの代わりに複数のウインドウを使う MDI グラフィックソフトで、100種近くのフィルターを内蔵し、ヒストグラムやパースなどのフォトリタッチ用プラグインが利用できる。 メニューは Language Pack を導入して日本語表示にでき、日本語化プラグインも入手できるので素人デジカメ術用としては十分な機能を備えている。 プロ用リタッチ・ツールの定番になっている Photoshop CS に引けを取らないビッグなフリーソフトとして GIMP (GNU Image Manipulation Program) がある。 GIMP は GNU の名が示す通り、Linux 系のフリーウエアーを Windows に移植したもので、集合智による持続的な開発体制が強みである。 Ver. 1.X 時代は不安定だったり一部の機能が使えなかったりしていたが V2.X になって安定し、V2.2.10 以降は格段に安定性が向上した。 現行 V2.6 ではユーザインターフェイスが段違いに良くなった。 旧バージョンでは別途インストールが必要だった GTK+ Windows Runtime Environment も同梱されるようになり、誰でも利用し易くなった。 きわめて高機能であるにも関わらず立ち上がってしまえば、動作が早いのが特徴だが、設定の自由度が高すぎて使いこなすのが大変、と言う面もある。 詳しい日本語のマニュアルが掲出されているが、最近はマニュアル本もいく種か刊行されている。 MYCOM 大河原、木村、江藤共著 The GIMP BOOK ISBN4-8399-1922-4 (GIMP 2.2.8 準拠) \2980+Tax なお、GIMP のポータブル版(GIMP Portable) も出ており、USB メモリーなどに仕込んで使うこともできる。 |
Adobe 8bf 形式 階調カーブ修正ツール ◎SmartCurve (フリーウエアー) |
Adobe Photoshop Elements に欠けている機能で最大の不満要素になっていたカーブ修正を補充するために開発された。 Photoshop Elements の各バージョンに導入してカーブ修正機能を向上できるだけでなく、Irfanview、Xnview など、8bf 形式プラグインを受容する画像ソフトならどれにでも導入できる。 Irfanview にはヒストグラムとトーンカーブ修正機能が欠けていたが、前者は V4.10 から内蔵され、後者はこの Smart Curve を導入する事で解決された。 一時、VISTA との相性が悪く、エラーで落ちることがあったが、最近は問題なく動くようになったようだ。 Adobe 8bf フィルターはそのほかにもさまざまなものが多数出ていてそれらのうち幾種類かを貰ってきて利用しているのだが、この Smart Curve がダントツだ。 |
RAWイメージ現像ツール ◎UFRaw (フリーウエアー) ◎RawTherapee (フリーウエアー) |
新調したデジタル一眼にバンドルされてきた RAW現像ソフトが物足らなかったのであちこち探しているうちに出遭った。 もともと GIMP のプラグインとして開発された RAW現像ツールだが、gtk 環境があれば GIMP とは別の独立ソフトとして走行するのでファイラーやビューアーから呼び出すなど、さまざまな環境で幅広く利用できる。 Adobe が提供している CameraRaw など吹っ飛んでしまいかねないくらい高機能な RAW 現像ツールだ。 さらに Raw Therapee (=RT) と言う自立形 Raw ツールの開発がハンガリー・ブタペストを中心とするグループによって進められている。 マルチ OS マルチ言語ソフトで、非常に活発なグループが活動しているので、いずれ UFRaw を追い越すのかも、と思われる。 |
超簡単画像縮小ツール ◎ 縮小専用 (フリーウエアー) ◎ ChibiSna (フリーウエアー) |
デジカメの性能向上に伴って画像サイズが大幅に膨らんだ。 メール添付で送ろうとしたら配送を拒否されたり、受け手側のパソコンに適当な表示ソフトが入っていないと画像の大部分がディスプレイからはみ出し、何が写っているのか分らない、といったトラブルが起こるようになった。 上の IrfanView のリサイズ(リサンプリング)機能を使えば簡単にできるのだが専用ソフトを使えばずっと簡単に多数のファイルを処理できる。 "縮小専用" は極く簡単な操作で複数の画像ファイルを設定サイズに縮小できるツールで、どちらかと言えばパソコンに慣れていないユーザのために開発されたものと思われるが、慣れた者にとっても便利で利用価値が高い。 ただ、多数の大サイズ画像を一度に処理しようとしたときにハングアップした。 もっと良いものはないかと探し回ったら、 "ChibiSna" と言う画像縮小ツールが見つかった。 大量の大サイズ画像を安定して処理でき、設定が縮小専用より分り易いので、最近はこちらに乗り換えている。 Windows Vista は未検証と称しているが、問題なく動くことを確認している。 |
パノラマ合成ツール ◎PhotoStich (バンドルソフト) AutoStich (フリーウエアー) |
山歩きをしているとよく広大な展望に巡りあう。 日本中の山でみた素晴らしい展望の雰囲気を、できるだけありのままにウエブで伝えたいと javascript を利用し、パノラマ合成ツールでつないだ超広角デジカメ写真画像をスクロール表示で見せている。 Canon 製コンパクトデジカメのバンドルソフトは大部分気に入らなくて使わないでいるが、 PhotoStich だけは例外だ。 起動時にコマンドラインから処理対象ファイルを渡せない、という欠点があるのだが、簡便操作で結構的確なパノラマ合成ができる。 ただ、PhotoStich は単独で入手できないし、つなぐ駒数が多くなると綺麗につなげなかったり、失敗することが多くなる。 もっと良いものはないかとあちこち探し回って行き当たったいくつかのうち、もっとも良い結果が得られたのが AutoStich だった。 大学の研究成果の証明として掲出されているソフトのため、設定が面倒で、メモリーは食うわ、処理が遅いわで、決して使い易いツールではないのだが、出来上がったパノラマ画像の質が抜群に良い。 多数駒の繋ぎをやらそうとしたら混乱して支離滅裂な画像を生成してしまうような無様な障害も出ない所は、上記 Photostich や Photoshop Elements 3/4 などより断然優れている。 |
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