ファイル共有サーバにもなる NAS (2011.7.12) |
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☆まえがき 小規模なホーム LAN であっても繋がっている PC が増え、Windows機 と Linux(Ubuntu)機が混在するようになると何かの拍子で共有フォルダを参照できなくなるようなことが起こりやすくなります。 使い勝手の良い NAS(Network Attached Storage) を導入し、そこに共有フォルダー/ファイルを設定すれば、安定したファイル共有環境を確保できるのではないかと思い、あれこれ情報を集めていたところ、某誌の震災対策特集で Pogoplug と言うユニークな NAS が紹介されました。 米国の Cloud Engines, Inc がパーソナル・クラウド・デバイスとして販売している Linux ベースの小型低電力サーバ機です。 ごく簡単なセットアップをすることにより、LAN 内で NAS として利用できるようになるだけでなく、モーバイル・デバイスからインターネット経由、リモートアクセスしたり、任意の第三者とファイルを共有するファイル共有サーバにもなると言われていました。 ごく簡単なセットアップ作業をすることにより、これだけの機能を利用できるようになる、と言う美味しい話に飛びつきました。 日本国内に設置された認証サーバによって作動するローカライズ版があり、オリジナル版より幾分値段が高目ながら1万円でお釣りが貰える程度と言うことが分かったので、Amazon 経由、量販店に発注したところ、中2日で配達されました。 |
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Pogoplug の3 面図 背面 USB 3ポート、LANとAC電源 側面(130×145mm) 前面 USB 1ポートと表示ランプ |
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☆ハードウエア 現物は上の3面図のようなユニークなブラケット・マウントタイプで本体の寸法は高さ145mm×幅60mm×135mm ほどです。 ハードウエヤの中身は、CPU: Marvell Sheeva 1.2GHz、メモリ: 256MB、フラッシュメモリ: 128MB、USB 2.0 ポート×4、ネットワーク: Gigabit Ethernet×1で消費電力は 18Watt max 程度。 4個ある USB ポートにハードディスクやUSBメモリスティックなど、適当な記憶メディアを接続して使用します。 ☆リモートアクセス Pogoplug はメーカが設置した認証サーバの助けを受けてインターネット経由リモート・アクセスを提供し、出先からサブノート機やスマフォで自宅 LAN 上の共有情報にアクセスすることができます。 また、任意(複数)のメールアドレスのオーナーに指定ファイル(フォルダー)の共有を共有するため暗号化されたアドレスを送付することが可能で、それを受信した者は一定の期限内、ファイル(フォルダー)にアクセス・ダウンロードできようになります。 |
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☆ハードウエア・セットアップ 下ははじめてセットアップを終えたばかりのハードウエアです。 記憶メディアとして USB2 外付けケースに収めた2TB HD を用意しましたが、あとから記すように現状ではこれほどの大容量は荷が重いこと分かったので中古の500GB HD に交換しました。 また、容量が小さくても良いなら USB メモリーを利用すれば、転送速度も早く、小回りがきいて便利です。 ここには写っていませんが日常の運用では、前面ポートに 8GBマイクロSDを内蔵した極小 USBアダプタを挿入しいます。 |
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☆ソフトウエア・セットアップ Pogoplug には表紙を含んで12ページしかないマニュアル(と言うかパンフレット)がついてきて、その表紙をめくると大きな文字で "今すぐ my.pogoplug.com へアクセス!!" と書いてあります。 早速アクセスしてみると左のような画面が現れました。 もちろんアカウントはまだ持っていないので画面下半分の "Pogoplug のアクティベーション" ボタンをクリック。 |
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すると、左のような画面に推移したので左側のユニットのアイコンをクリック。 |
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ハード接続手順のステップ・ダイアグラムが表示され、Pogoplug を LAN ケーブルでハブに繋ぐよう指示されました。 LAN ケーブルを繋いだあと、ステップ1のポイントをクリック。 |
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次の画面で Pogoplug の電源ケーブルを AC コンセントに繋ぐよう指示されました。 電源ケーブルを繋いでステップ2のポイントをクリック。 |
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以下、指示された手順に従ってハードディスクを繋ぐと、 Pogoplug が認証サーバに繋がったことを告げる画面に変わったので、ステップ5 のポイントをクリック。 |
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最後にリモートアクセス用のメールアドレスとパスワードを登録してステップ 6 のポイントをクリックしてセットアップを終了。 引き続きファームウエア・アップデートが行われ、アクティベーションが終了しました。 |
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☆ファイルのアップロード ログイン画面に戻り、2~3の画面遷移を経て左のようなファイル・アップロード・モードに入り、テスト用ファイルをアップロードしました。 |
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ブラウザーウインドウに表示された "Add Files" リクエストからテスト用ファイルを選択してアップロードすると左のように、Pogoplug の記録メディアに保存されたファイルが表示されました。 |
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アップロードしたファイルは単純な html ファイルだったので、そのままブラウザーで表示され、左のような画面になりました。 |
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ファイルのダウンロードはブラウザー内蔵のダウンローダによって行います。 |
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ダウンロードしたファイル左のような GPS アルバム閲覧ツールでした。 |
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☆ネットワークドライブ・ユーティリティー 上のように簡単なセットアップによって、インターネット経由、ブラウザーでアクセスできるようになるのがPogoplug の特徴ですが、ネットワーク・ユーティリティーをインストールすることにより、通常の NAS と同じように、LAN 上のコンピュータの擬似内蔵ドライブとしても取り扱えるようになります。 そのために Pogoplug のダウンロードページに入りました。 |
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Pogoplug のダウンロードページには左のような表示が出ていて、Windows/Mac/Linux 用のユーティリティーのほか iPhone/iPad および Android スマフォ用の接続ツールも提供されていることがわかります。 Androidへの乗り換えは近い将来の楽しみとして、取り敢えず Windows 用のツールをダウンロードし、常用機にインストールしてみました。 |
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インストールは特段のこともなく進行し、タスクバー-に赤いアイコンが現れるようになりました。 このアイコンをクリックすると左のように、Pogoplug との接続に使われているアカウントなどが表示されます。 ファイルマネージャを起動すると下のように、Pogoplug の記憶メディアが P: ドライブとして認識されている事が分かります。 これにより、あたかも内蔵ドライブのひとつであるかのように扱い、ファイルを(LAN経由で)転送したり、PC内の作業フォルダーと同期を保つよう設定したりすることもできるようになりました。 |
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以上のように、画面表示を見てマウスを操作するだけでほとんど頭を使わず、NAS 兼リモートファイル共有サーバが作れてしまったのですが、何もかもがスイスイと言うわけに行かないのが物の道理です。 トラブルとまでは行かないものの、問題になったことを一二記しておきます。 まず、大量のファイルをアップするとそのあと暫く、データ転送速度がガタ落ちになると言う現象があります。 これは、保持ファイルが変更されるとインデックスファイルの修正が行われ、サムネイルの作成などに CPU パワーが吸収されるためのように思われます。 また、転送速度が思ったほどに上がらないばかりか、数十kb/sec まで低下する現象が起こりやすい事に気が付きました。 これは、LAN 接続の一部を担っていたハブが非常に古いものだったのが原因で、その伝送能力がブレーキになっていたようでした。 新しいスイッチングハブに交換してみたところ、300Kb/sec 程度まで改善しましたが、まだ MB/sec オーダーの速度は得られていません。 多分、ルータが古いので、これが2番目のネックになっているのかも、と疑われます。 いずれ、ルータを更新し、状況が改善されるかどうか確かめてみようと思っています。 |
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☆あとがき 以上、 Pogoplug はこのごろあちこちから提供されている無料共有フォルダーの容量制限を、技術力がない者があまりコストを掛けずに回避する手段として利用できるようになりました。 本体・2TB HD・USB ケースあわわせて約2万円で済みますから稼ぎのない年寄りの小遣いでも十分賄えます。 セットアップは、看板に違わず至って簡単で、これこそ "脳力" 低下があらわになった年寄りが利用できる最高の NAS だ!、と思いました。 ファイル共有メールの配信にYahooGourps のグループメッセージを利用する事もできるようです。YahooGroups の時代ばなれした貧弱な共有フォルダー容量制限を取り払う技としても使えそうです。 この Pogoplug の導入記録がご同輩(ならびにもっと若い方々)のお役に立てば幸いです。 |
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