私流パソコン安全運転法 (2003.12.31 改訂)


まえがき

  2003年は、大部分のパソコンユーザにとってまことに不愉快な年でした。
Windows システムの弱点を衝いたウイルスが、あとから後から出現し、蔓延したからです。
ウイルス対策にどれほどの時間を無駄に費やしたか、思い出すと嫌になってしまいます。


  たまたま某シニア会のミーティング様子見参加をしていたら、長年コンピュータと付き合ってきた経験にもとづいて何か話をしないかと誘われました。
現状のパソコンに対して、日ごろ暖めていた考えを披瀝するとともに、蓄積した個人デジタル情報資産を、どのようにして守っているか、実際的なお話をしました。
その時に作成したプレゼン スライドを pdf に変換して掲出します。

  現在の Windows 系パソコンは、ユーザにとって一番大切な、"個人の知的情報資産" の保全に対する考慮がまったく欠けている恐ろしい代物であり、身を守る術は自分で工夫するしかない、と言うのが私の視点です。

  やり方は我流で、完全とは言い難く、少々劇薬的な操作も含まれているので、場合によってはなにか不都合な事が起こらないとも限りません。
もし、問題が生じても責任を取れませんが、きっと多くの方のご参考になるだろうと信じています。



      pdf スライドを見る 
        


追記

(1) ナツメ社の新刊書
    物事には潮時があるようで、ミーティングの翌日の散歩の途中にたまたま立ち寄った書店の棚で "Windows XP 大切なデータのバックアップと復元" という表題の新刊書を見つけました。
著者は C&R研究所、発行所はナツメ社、A5判223ページの本です。
  問題の認識と対策の手法が私の考えていた事と基本的に一致していたのが嬉しかったので直ちに購入して持ち帰りました。
この本には、私が洩らした仮名漢字変換のユーザ辞書をはじめ、ほとんど全てのユーザ情報資産に対する具体的なバックアップ方法が記されています。
さらにもうひとつ、横文字の文書を扱う者にとって大切な、MSオフィス スペルチェッカーのユーザー辞書のことがカバーされれば、ほぼ完全だろう、と思いました。
面白いのはこの本のクレジットの日付けでした。
購入日が6月11日なのに2003年6月22日 初版発行と記されています。

(2) IBM社の TCPA準拠PC
    もうひとつ、電車の吊し広告で、TCPA準拠 "Rapid Restore PC" と称し、システムとユーザ資産の双方をバックアップ/復元する機能を組み込んだPCを発売したと、IBM社が宣伝しているのを見つけました。
さすがIBMは真面目にやってるなぁと感じるとともに、チョッと前に入手して愛用しているサブノート機もアフターケヤの恩恵にあずかれないのだろうかと思ったので、少し調べてみました。

"TCPA" とは、"Trusted Computing Platform Alliance" の略語だそうですが、少々難航している模様で、近じかTCG (Trusted Computing Group) に改組されると伝えられています。
  気に懸かるのはマイクロソフトの態度で、この問題には10年掛りで取り組むと、ある役員が述べています。
ドッグイエヤーのこの分野での10年は、他の技術分野での50年にほぼ等しいと換算されます。 競争相手を潰そうとする時の迅速かつ徹底的なアクションに比べてなんというスローモーションなのでしょう。  これでは私達の目が黒い間どころか、"ほとんど永遠に" 実現させる積りがないと言っているのとほとんど同義です、と思ったのはいささか単純だったようで、裏にはなかなか込み入った思惑や事情が隠されているらしい事をあとから知りました。

  別の立場に立つ人たちはこれはむしろ "treacherous computing" とも呼ぶべき物なのだと主張し、激しく対立しています。(http://www.cl.cam.ac.uk/users/rja14/tcpa-faq.html を参照)。