◆ ホーム LAN 元締めPCが潰れちゃった!
立ち上げてから2年近くの間、24時間パワーオン状態で、調子よく動いていた我が家のLAN の元締め役PCが、突然
"失神" してしまいました。
色々調べた結果、ハードディスクがクラッシュし、回転しなくなっている事が分かりました。
ベヤーボーンキットからこのPCを組み立てたとき、他社に先駆けて流体軸受けを採用し、最良最強と言われていたのに惚れ込んで採用した 40Gbyte のハードディスクドライブだったのに、2年足らずでご臨終とはチョッと期待外れだったなぁ、と思いましたがもう後の祭りです(下)。
このサイトの "パソコン安全運転法" に詳しい説明を出していますが、ハードディスクのクラッシュやウイルス感染など、パソコンを使っていて遭遇する事故への備えはしてありました。
これまでに出遭った色々な事故の経験で、ハードディスクはふたつのパーティションに切り分け、デジカメ画像やアドレスブックなど、私だけのデータのもろもろは、OS
やアプリケーションプログラムなどのシステムから分離し、別の場所に収容しています。
さらに LAN に繋がっている複数のPCの間で定期的にユーザーデータの同期を取って、自称
"分散バックアップ" がしてあります。
メールのやり取りやインターネット閲覧位は、ほかの元気なPCを使って、問題なく続けられるのですが、インクジェットとレーザービームと、2台の共有プリンターが利用できなくなってしまったのが非常に不便なので、他の事を差し置いても早急に修復することにしました。
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◆ 最新のユーザデータを救出したい!
システムは、1月30日に作成したイメージファイルで復元ができます。
最近、新しいソフトのインストールをしていないので、復元操作のあとにやるべきことは、ブラウザーのブックマークファイルをコピーすること位のものでしょう。
ユーザデータの方はクラッシュの前日の夜に同期を取ったのでそこまで戻る覚悟をすればよいのですが、もしクラッシュが起こる直前の状態のデータを救出できれば最高です。
実験用PCに問題のハードディスクドライブを接続し、掌で軽く叩いては起動ボタンを押すトライアルを数回繰り返したら、"ガッツーン、ガリガリ、カランカラン"
と当てていた耳に聞こえたあと、 "ビューン" と回りだしてくれました。
幸運に感謝しつつ、データパーティションに納められている全てのファイルをコピーしました。
総量で23Gbyte あまり、夕食後から初めて夜半まで掛かる大仕事でした。
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◆ コンパクトデスクトップPCのHD交換に必要な部品
次の朝、近くのPCパーツショップが開くのを待って修復作業に必要なパーツの調達に行きました。
また2年もしないうちにクラッシュして欲しくないのでお店の人に色々聞いたあと、日立の80Gbyte ドライブを選びました(下左)。
このPCは構成がノートPCと似ていて、ハードディスク1台専用のIDEケーブルを使っているので、マスター/スレーブの2ドライブが接続できる標準的なIDEケーブルが必要です。 電源ケーブルも2分岐タイプが必要なのでドライブと一緒に購入しました(下右)。 |
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◆ 半日掛りの暇な修復作業
新しいハードディスクをマスターに、古い方をスレーブになるよう、それぞれのドライブのラベルに印刷してある説明に従ってジャンパを設定した上でIDEケーブルでPCに繋ぎます。
クラッシュしたドライブも繋いだのは、また何とか回って読み出しができれば、データパーティションに書き込んであるシステムイメージからの直接リカバリーが可能となるからです。
リカバリーCDを作って読み込む手数が省ける上に、ユーザーデータも直接転送できて格段に時間が早くなります。
電源ケーブルも双方のドライブに接続したあと、CDドライブにシステムリカバリーソフトの
"Drive Image2002" のCDを挿入して修復作業開始の準備が整いました(左)。
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起動ボタンを押すと、CDに書き込まれている DR-DOS がロードされ、ついでDrive Image が起動します。
メニューから "イメージの回復" を選び、暫く待つと旧ドライブに納められているシステムイメージファイルが見つかりました。
メニューに答えてシステムパーティションを15Gbyte から20Gbyte に拡大して復元するよう設定し、スタートを掛けるとパーティションの作成-フォーマット-システムの回復、という一連の作業が始まります(左)。
システムファイルの総量は6.6Gbyte、約3時間掛かりましたが、時どきプログレスメータを眺める以外、別段やる事もなくて退屈です。
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◆ 目出度く再起動
思い掛けない "暇" が得られたのであたりを片付けたり、読み掛けの本を読んだりして楽しんでいるうち、ついに待望の修復作業終了を知らせるメッセージが表示されました。
ドライブからCDを抜き出し、"再起動" を掛けると "Windows2000Pro"
の起動画面が表示されました。
引き続き、ドライブエラーのチェックが行なわれ、さらにシステムバックアップファイルと現存システムとが不整合だと言うエラーメッセージが出ましたがこれはパーティションサイズを変更したことに伴うもののようでした。
やがてブートアッププロセスが進行し、目出度く、慣れ親しんでいたデスクトップが表示されました。
OS が旧HDのデータパーティションを認識したため "スタートアップ"
に入っているメーラが立ち上がるとそのまま丸一日分溜まったメールを全部読み出してしまいました。
オタオタしながらうれし泣きのパターンです。
旧ドライブを取り外す準備のため、Partition Magic を起動し、新ドライブの空き地全部を利用したデータ用パーティションを作成し、旧ドライブにあった全てのユーザデータを転送しました。
前夜、別のPCで3時間掛かった作業が約1時間でできてしまいました。
そちらのPCのIDEが ATA33 だったのにこちらは ATA100 になっているお蔭でした。
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◆ 後始末と整理
新しいHDへの移行作業が基本的に終了したのでいったんPCの電源を切ります。
旧ドライブ、修復作業用のケーブルを取り外し、新HDをドライブベイに納めたあと、元のケーブルで接続し、ケースのカバーを戻して再起動します。
システムが無事に立ち上がりましたが、メーラが "メールボックスが見つかりません"
というエラーを表示してフテ寝してしまいました。
データパーティションのドライブレターが "E" であるべきところ、"G"
になっているせいです。
現状にあわせてソフトの設定を変更しても良いのですが、まわりのPCとのデータ同期の設定など、沢山の変更が必要になって面倒なので、ドライブレターの方を修正する事にしました。
一番楽なのは、"Partition Magic" を使う方法です。
プログラムを起動し、変更を設定したあと再起動してアッサリ終りました。
午後一番からそろそろ夕方になろうとするまで、修復作業に午後一杯掛かりましたが、その間はいたって暇で、本を読んだり、片付けをしたりできて、なかなか有意義な半日でした。
ハードディスクドライブの性能が向上した御蔭か、OSの起動も目立って早くなったようです。
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◆ あとがき
安定性抜群の Windows2000pro を走らせているホーム LAN のメインPCが、数日前に、珍しくハングアップした以外、何の前兆もなく、突然死んでしまった時には、いささかガックリきて、最近聞いた友人の話を思い出しました。
使っていたPCのハードディスクがクラッシュしたのでそこからユーザーデータを救出する作業を業者に依頼したら、数万円も取られたのに元のファイル構造の復活まではできず、ほんの一部しか取り戻せなかった、という災難の話でした。
今回は、バックアップ用ソフトへの僅かな投資と、日ごろ実行していた保全策とが功を奏し、一万円足らずの出費と、他の事をやりながらの半日の手間とでソックリ元に戻すことができました。
それだけでなく、新しいハードディスクへの乗り換えたことにより、容量が拡大したばかりか、スピードも早くなり、PCの耐用期間の延長を図る事もできました。
ハードディスクのクラッシュは、歓迎はできない事故ですが、少なくとも
"恐ろしい災難" になるのを予防する自衛策は可能だと確信しました。
◇ あとがき
最近出たパソコン雑誌で、"HDD Health" と言うフリーソフトがあることを知りました。
このソフトは、HDDが内蔵している "Self-Monitoring and Reporting Technology"
(S.M.A.R.T.)にアクセスし、読み書きエラー頻度のトレンドなどから HDD の予測余命を推定する常駐プログラムです。
ダウンロードサイトのアドレスは、
http://www.panterasoft.com/
で、現行バージョンは、"HDD Health v2.1 Build 159" でした。
動作画面のスクリーンショットも出ていました。
英語版しかないのですがソフトの性質上、あまり支障はないだろうと言うことで早速自作したPCにインストールして見ました。
タスクバーにHDD形のアイコンが現われるだけで、一見何もしていないように見えますがこれを右クリックするとドライブの詳細データと予測寿命が表示されます。
寿命の予測はトレンドアナリシスによっているようで、インストールしたては明日にも寿命が来ると言いますが暫く経ってデータが蓄積されるにつれて落ち着いた値を示すようになります。
HDD がもっとも壊れやすいのは、梅雨の後半から初夏に掛けての高温多湿な季節ですから、今のうちにインストールしておけば、その時分にはかなり信頼度の高い情報を表示してくれるようになるでしょう。
このソフトが期待通りの性能を持っていれば、気がついた時にはハードディスクが壊れていたと言う破目に遭わなくなれそうです。
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