佐久-男山・天狗山・三国山-中津川 (1997.10.10-12)
☆期日/山行形式: 1997.10.10-12 旅館利用2泊3日
☆地形図(2万5千分1): 御所平(甲府5号-3)、信濃中島(長野8号-4)、居倉(甲府5号-1)、
中津峡(甲府1号-3)、両神山(長野4号-4)
☆まえがき
開通したての長野新幹線を利用して信濃川上から奥秩父中津川にかけての紅葉を見ようという山行を計画した。
初日は小諸経由で信濃川上駅(1135)へ行き、まず千曲川の対岸から取り付いて男山(1851)に登頂。 岩稜を伝ってpk1797から天狗山(1882)へ縦走したのち馬越峠手前の下降点(1690)から大深山へ下山。 村営バスで梓山まで行って白木屋に宿泊。
二日目は、予備日とし、梓山近くにある長峰または五郎山に登る。
三日目には、三国峠(1740)から三国山(1785)に登り、状況が良ければ秩父側へ延びている松尾尾根を辿って、難しそうなら峠から車道を歩いて中津川谷の信濃沢橋(940)に下り、王冠(830)を経て中津川(750)の西武バス終点へ。 そのあとは三峰口、御花畑・西部秩父を経て、飯能、池袋経由で帰るというのが行程のあらましだった。
☆行動記録とアルバム
10月10日
<タイムレコード>:宮崎台[5:55]=[6:34]大手町[6:49]=[6:50]東京[7:04]=[8:04]軽井沢[8:15]=[8:37]小諸[8:41]=[10:09]信濃川上(10:25)-林道入口(10:40)-乗越(10:35)-水場(12:20)-男山(13:05/45)-ルートミスをし赤顔山との鞍部手前で反転(14:30)-下降点(15:10)-水場(15:40)-村営バスに飛び乗る[16:50]=(村営バス)=[17:20]梓山{白木屋旅館}
信濃川上駅から歩き出し、千曲川対岸の前山の小峠を越して行くと左前方に男山が姿を現した。
紅葉のスカートの上に頭を出している岩峰が魅力的だった。
水場で喉を潤したあと薮っぽい沢窪を上りつめると稜線に出る。
左に折れてひと登りで男山頂上に出た(左)。
向かい合わせに連なっている八ヶ岳は雲が掛かっていて頂稜部は見えない。
南の方には御座山が見えている(左)。
稜線直下のシャクナゲと岩稜に頂上からの眺めが素晴らしかったのを思い出した。
東の方には天狗山の岩峰がニョッキリと突き出ていてその右手にゆったりした梓山高原が広がっている。
この日のうちに天狗山まで縦走して梓山まで行きたいと考えていたのだが、途中でご粗末なルートミスをやらかした。
主稜から南に分岐する稜線に迷いこみ、赤顔山の方に向かって45分も進んでしまうまで誤りに気がつかなかった。 往復で1時間半ものタイムロスとなり、天狗山への縦走を諦めなければならなくなり、朝来た道を戻る事にした。
宿泊した梓山の白木屋はかつて奥秩父登山のパイオニヤ達の泊り場だった所で、往時の雰囲気を残していた。 お婆ちゃんまで出て来て歓迎してくれ、良い宿りができた。
10月11日
<タイムレコード>:梓山[8:00]=(村営バス)=[8:18]大深山中央(役場で村営バス時刻表を貰う 8:30)-大深山遺跡入口(8:45)-天狗山遊歩道の看板(9:00/05)-(ゴルフ場横断)-登山道(9:45)-小休止(9:55/10:00)-岩稜(10:30)-天狗山(10:40/11:00)-林道(11:30)-(12:20)大深山(林業博物館の軽食堂で蕎麦を食べる)[13:29]=(村営バス)=[13:58]梓山{白木屋旅館}
前日にミスをした天狗山に行く事にした。
大深山遺跡入り口の方から登ろうとしたのだがゴルフ場のため入り口が分かりにくくなっていてまたルートに迷うこととなった。
結局ゴルフ場クラブハウス前から場内を横切って右手の山腹に入り、薮の中を直登して登山道に合流した。
主稜に出たあと、痩せた岩稜をひと登りで頂上に着いた(左)。
雲で視界が狭められ少し離れた山は見えなかったがすぐ隣の男山はかえって奇麗に眺められた(下)。
頂上から馬越峠をへて大深山までは思っていたより近くて、昼時には降り着いてしまった。新しくできた林業博物館の2階の軽食堂で蕎麦を食べた。 蕎麦も美味しかったが付け合せに出された地物のレタスがそれ以上に美味しかった。
10月12日
<タイムレコード>:梓山[7:20]=(送迎車)=[7:45]三国峠(8:00)-三国山(8:20/25)-三国峠(8:40/50)-小休止(10:00/05)-大ガマタ林道合流点(10:25)-中津川谷底(10:45)-金蔵沢橋(11:05/15)-信濃沢橋(11:45)-王冠(11:25/35)-(13:15)中津川こまどり荘[14:32
\740]=[15:45]三峰口駅[16:12]=[18:33]池袋=渋谷=宮崎台
三国山から松尾尾根を通って中津川へのルートは、以前にも甲武信岳から十文字小屋に泊まった時に歩こうとした事がある。 その時は台風で道が崩れてバスが入れなくなっている事が分かったため断念し、三国峠から梓山へ下って終わった。
歩く者がいなくなって手入れもされず薮の下に埋もれてしまったのか古い案内地図に記入されていたルート線や標準コースタイムも消されてしまった。
三国山頂上から様子を見て状況が芳しくなかったら峠に戻り、中津川まで車道歩きをしようと考えた。 その場合にはかなりの長丁場となるので峠まで車で上がって時間稼ぎをした方が良いだろう。
朝食を終えてタクシー会社に電話をしたら葬式か何かで忙しくてすぐには行けないと言う。 困っていたら宿の女将さんが近所の人に車を出すよう頼んでくれた。
峠のトイレの脇から三国山に向かう。 寒冷前線が接近していて雲行きが慌ただしかったが途中の露岩からは梓山高原とその先に立っている小川山が良く見えた(下左)。
登り着いた三国山頂上は山の大きさと不似合いな狭苦しい小岩峰だった(下右)。
松尾尾根のトレースは止めて峠に戻る。 僅か進んだ所で前方に中津川谷と上武国境稜線方面への視界が広がった。
錦秋の中津川谷の向かい側に櫛形の岩稜を連ねている両神山が非常に印象的だった(下)。
車が比較的少なかったが、中津川までは長い長い車道歩きだった。
しかし、稀な美しい山岳景観とあたり一体の紅葉の美しさとが記憶に残った。