榛名 居鞍岳 (2016.5.14) |
|
☆期日/天気/山行形式: 2016年5月14日(曇のち晴) 前夜市中ホテル泊単独行 ☆地形図(2万5千分1): 榛名湖(長野2号-3) ☆まえがき 居鞍岳(1340.1) は、小じんまりしたピークの群れから成り立っている榛名山域では、大きい方の山なのですが奥まった所に隠れているため、関東平野や榛名湖畔からは見えません。 アプローチも不便なため登りそびれたままになっていたのをどうにかしようと考え、前夜、髙崎駅前に泊ればうまくやれそう、と言う結論になりました。 早朝出発し、渋川-伊香保まわりでアプローチすれば、居鞍岳に登頂したあと掃部ヶ岳まで尾根伝いをしたあと、程よい時間に榛名湖畔に降り着けそう、という目論見です。 結果は達成率50% の半分失敗山行でとなりました。 送電線巡視路からの登頂を目指したところ、3番目の鉄塔付近から頂上へ向かう小尾根ルートの分岐を見落し、山の南側の鞍部まで行ってしまったためでした。 遠回りをしたため時間が遅くなり、掃部ヶ岳への尾根伝いをギブアップし、北尾根ルートをエスケープして辻褄を合わせることとなりました。 |
|
榛名湖春景 (画像をクリックすると拡大) |
|
☆行動時間 髙崎[8:24]=[8:50]渋川駅[8:55]=(関越交通バス)=[9:14]伊香保バスターミナル[9:20]=(群馬バス)=[9:46+12]吾妻荘前(10:00)-硯岩入口(10:14)-祠のある林道分岐(10:59)-居鞍岳登山口(11:05/15)-水場(11:20)-鉄塔1分岐(11:33)-鉄塔2分岐(11:50)-小休止1230m圏(12:00/05)-鉄塔3分岐(12:11)-鉄塔4分岐(12:22)-居鞍岳南の鞍部(12:33)-居鞍岳三角点峰(12:50/13:05)-居鞍岳北峰(13:08/10)-ルート不明瞭地点(13:25)-県道(13:45)-掃部の大栗入口(14:00/21)-掃部ヶ岳入口(15:06)-(15:21)榛名湖[15:30]=(群馬バス 820円)=[16:50+15]髙崎[17:12]=(湘南新宿ライン)=[19:09]渋谷=宮崎台 ☆ルートの概況 郷土群馬の山巡りでは髙崎駅前のホテルに泊まるのが半ばルーティンになっています。 翌朝、榛名山に行くときは室田経由の直通バスを利用することが多いのですが、今回は少し違ったアプローチで、上越線の電車で渋川に行って伊香保行きのバスに乗り継ぎ、伊香保から榛名湖に向かうルートにしました。 伊香保での榛名湖温泉ゆうすげ行きへの乗り継ぎは、伊香保バスターミナルと、階段街下と、伊香保案内所と、3箇所ものポイントで可能なのは便利というか、分かりづらいというか? どちらにするか迷いましたが、一番分かりやすく、時間的な余裕もありそうな伊香保バスターミナルで乗り継ぐことにしました。 |
|
伊香保案内所からヤセオネ峠まではかなり急な登りで、ヘヤピンカーブを繰り返しながら高度を上げて行くと、新緑の木の葉の色合いや咲いている花の様子が徐々に変わってゆくのが面白く、まるでタイムマシンで時間を遡っているような感覚になりました。 榛名湖畔をひと走りした所にある吾妻荘前でバスを降りました。 ここには東屋と公衆トイレがありますが、吾妻荘は閉鎖され改装工事が行われていました。 |
|
吾妻荘の先にある掃部ヶ岳・硯岩登山口を通過したあと、さらにもうひと登りした所にある切り通しから先は吾妻川谷側への下り坂になリます。 |
|
緩やかな下り坂を歩いてゆくと右手が開けた所に土場があり、切り出した丸太が積み上げられていました。 以前、鬢櫛山への登路を探しているうちにここまで歩いてきて、ゲートの奥に進入。 山に突き当たった所から登ろうとしたものの、藪が酷くて進めず尻尾を巻いて帰りました。 |
|
乗越から1Km 足らず進んだ所にヘヤピンカーブがあり、その頂点の巾着状のスペースに別荘団地の管理棟があります。 |
|
ヘヤピンカーブで高度を下げたあとさらに1Km 足らず進んだ所の道路の左側にちょってした車止め広場がありました。 広場の奥手に国有林の立て看板と、「かもんの大ぐり」 へ1Km と記した道標が立っていました。 |
|
ようやく行く手に見えてきた居鞍岳に励まされながら歩いて、さらに1Km 足らず進むと道路の右側に大石があり、その上に古い石祠が据えられていました。 車道が通る前、吾妻川谷の郷原あたりから登って来た参詣道がこの辺りを通っているようです。 |
|
祠の前から道が左手に曲がって浅い切通しで尾根を横切りました。 切通の擁壁の末端部に左の写真のような排水路のような溝があるのが居鞍岳の取付きでした。 |
|
溝状の所に入ってみると左上に向かって写真のような丸太階段が延びています。 |
|
丸太階段をひと登りして切通の擁壁の上にあがると左のように手造りの道標のある分岐点に着きました。 直進する尾根道は居鞍岳頂上まで50分だが急登で手入れがされていない、 右折して斜上してゆくのは送電線鉄塔巡視路経由頂上まで1時間15分、 と記されています。 |
|
どちらを登っても良いと思っていたので少し迷いましたが、2万5千分1地形図に破線が記入されていない巡視路がどこを通ってゆくのか興味があったのでそちらをトライしてみることにしました。 山腹を巻き登ってゆく巡視路は、全体としてよく手入れされ、ほぼ一定の傾斜の歩き易い道でしたが、はじめの部分に沢溝を横切る所があって小さな崩壊が発生し、固定ロープが取り付けてありました。 2本の沢溝のあとの方は少し深くて水が流れていましたがか細い流れなので水場としてあてになるかどうか? |
|
ルートの崩れやすい所には巡視路定番の樹脂ブロックのステップが埋め込まれ、至って歩きやすいものでした。 |
|
やがて2番目の鉄塔が見えてきて、そちらに行く道が分岐しました。 |
|
尾根を回りこんで行った所にある浅い沢溝に妙な形をした、半欠けアーチ状のの橋がかかっていました。 見かけが危なっかしかったので恐る恐る乗ってみたら意外に堅固に作られていてビクとも動きません。 樹脂被覆ロープの手摺まである、至極しっかりした安全な橋でした。 |
|
次の尾根の端を回りこむ所のすぐ下に3番目の鉄塔が立っていました。 鉄塔周囲の樹木か刈り払われていて吾妻川谷方面の視界が得られたのでそちらを見ながら通り過ぎたのがこの山行の失敗のもとで、居鞍岳頂上へ向かう尾根道の分岐を見落としてしまいました。 |
|
左上が明るくなって頂上が近くなっている気配を感じながら進んでゆくと道のすぐ下に4番目の鉄塔が立っていました。 左手の尾根の背を上がってゆけばすぐ頂上に登り付けそうでしたが、尾根の背が藪に覆われていて道形も見えません。 |
|
先にはとてもよい道が続いているので登頂ルートも良い道に違いないと思いながら進んでゆくと左手が開けてきて掃部ヶ岳方面への尾根の影が見える所まで来てしまいました。 |
|
短い下りの先に岩溝を渡る所がありました。 危なっかしい固定ロープと鉄棒杭に助けられて向こう側に渡ったあたりで頂上の下を通り過ぎてしまったようでした。 |
|
いつの間にか幅広で平らな道に入りました。 時々車が来ているような雰囲気さえ感じられるくらいしっかりした路面の林道でした。 |
|
タブレットを引っ張りだして現在位置を確認すると居鞍岳と掃部ヶ岳を繋いでいる尾根の鞍部まで来ている事が分かりました。 林道は北麓の東吾妻町から古賀良山の東の谷を通って上がってきている物です。 掃部ヶ岳まで1.5Km ほどの所まで来ているのでそのまま直進すれば程々の時間に榛名湖畔に行き着けそうでしたが、今回の主目的は居鞍岳です。 鞍部の笹薮の中を探ってみたらすぐに左の写真のようなコースマークが見え、踏み跡状の歩道をが見つかりました。 |
|
鋭角に左折して尾根の背に乗り、頂上に向かいました。 道形は切れ切れでしたが程よい幅と傾斜の穏和な尾根で、気持よく登高してゆくことができました。 |
|
やがてふたつの大石が並んでいる南肩のピークに登りつきました。 |
|
大石の間を通って僅かに上下して進むと饅頭状のこぢんまりした頂上に着きました。 まわりを樹木に囲まれて展望もなく、至って地味な所ですが三角点標石と山名プレートがあって紛れも無い居鞍岳頂上です。 |
|
ケヤレスミスのため、時間が遅くなったので掃部ヶ岳への尾根伝いをギブアップしましたが、巡視路を登ってくる途中で見落とした登頂路の上部を確認してみたい気持ちもあったので北尾根ルートを下ってみることにしました。 この山は南北ふたつの頂上を持つ双児峰になっています。 緩やかに僅か下って北峰への接続尾根を進んで行く所は道形不明瞭ながら藪のない綺麗な尾根ルートでした。 |
|
榛名湖春景 (画像をクリックすると拡大) |
僅か登り返していった高みの天辺に大岩があり、その上にふたつの石祠が背中合わせに据えられていました。 向かって左側の祠の前から急降下してくゆく踏み跡があり、降り口の脇の木に青いビニールリボンが結びつけてありました。 何の気なしにそちらへ降りかかった所で「ちょっと待てよ」と立ち止まり、タブレットを引っ張りだして現在位置を確認すると登ってくる途中で見た3番目の鉄塔に向かってまっすぐ降りてゆく尾根の分岐に入っていることがわかりました。 一旦祠まで登り返し、右側の祠の前をヘツったあと右下の急な斜面を下ると下降路の踏み跡が見つかりました。 |
ひと下りするとほっそりした綺麗な尾根の背に乗りました。 踏み跡は切れ切れですが藪は全くなく、快適な下降になりました。 ただひとつ、難を言えば、まわりの森に途切れがないため視界が得られず、現在位置が分かり難いことでした。 |
|
尾根の下部まで下って山裾の県道を走っている車の音が聞こえてくる聞こえてくるようになった所に小平地があり、その先の急な斜面をどちら側ヘ下ればよいか、判じ物になりました。 あちこち見て回ったあと右手に降りて行ってみたらひと下りで尾根の背に乗り、踏み跡が見えてきて木の枝に巻きつけてある黄色いテープも見つかりました。 この尾根は登るときはひたすら高みを目指せば良いので問題ないですが、下降するときには少々ルートファインディングが必要です。 |
|
進路が不明瞭になったら原則として右手に降りてゆくことにすれば良さそうです。 やがて尾根の傾斜が緩んで山の下の県道を走ってくる車の音が間近に聞こえてくるようになりました。 |
|
まもなく見覚えのある丸太階段の上に着きました。 右下には県道の路面が見えています。 |
|
丸太階段を下りきって右手へ降りると県道で、切り通しの擁壁の裾にそってタンポポ並木ができていました。 |
|
朝来た時に見た石祠の前から右手に回ってゆくと左手の谷向いに尾根が見えてきました。 鬢櫛山頂上から北に向かって派生している尾根で、末端近くに烏帽子岩と書き込まれた毛虫マークがあります。 |
|
居鞍岳頂上から休まず歩いて疲れたので掃部の大栗入口の広場で休憩し、糖分、イオンと水分を補給しました。 ダラダラと長い斜度の上り坂を進んで榛名湖へ乗越す切り通しにかかると正面に烏帽子ヶ岳が見えました。 薄べったい山を横から見ているせいですがえらく尖っていて、あんな尖った山にどうやって登れたんだろう?と思ったほどでした。 |
|
榛名湖春景 (画像をクリックすると拡大) |
乗越からダラダラ下って行き、吾妻荘の前を通りすぎて榛名湖温泉からの道を合わせると榛名湖畔の道になりました。 榛名富士は新緑の黄緑色に覆われ、湖岸には八重桜が咲いていて、春の盛りの景色でした。 華やいだ湖畔の道を歩いて天神峠下の榛名湖バス停に着いたら群馬バスの車が止まっていました。 ドライバーに聞いてみたらあと10分くらいで高崎行が発車するするという返事。 ジャストインタイムで下山できたことが分かりました。 |
湖に面した柵に寄ってページ冒頭のパノラマ写真を撮ったあとバスに乗るとまもなく発車しました。 榛名湖から室田経由、高崎駅に直行するバスは、1時間20分も掛かるロングルートですが乗り換えがないので楽ちんです。 途中、室田ターミナルで10分ほど休憩するので顔を洗ったり、ジュースを買ったりできるのも好都合です。 週末で道が混み、髙崎郊外の経済大学前では大勢の学生が乗り込んだりして定刻より遅れましたが、ジャストインタイムで湘南新宿ライン快速電車に間に合い、程よい時間に帰宅できました。 |
|
<ルートの詳細> Google マイマップ |
|
ヤマレコの山行報告 |
|
ページ先頭へ | |
☆おわりに 送電線巡視路から頂上へ向かう分岐を見落として回り道をしたことによる時間ロスで掃部ヶ岳への尾根伝いができず、半分失敗山行となりましたが、エスケープルートとして北尾根を歩いたので、居鞍岳北面のふたつのルートの状況が詳しく分かりました。 紅葉の季節にでも再訪し、居鞍岳から掃部ヶ岳への尾根伝いを再度トライしてみたいと思っています なお、前の日に足慣らしを兼ねて箕輪城跡を探訪しました。 髙崎郊外、榛名山裾の末端の台地地形を活かして構築された戦国時代初期の平山城を起源とする城跡の縄張りは広大で、これと対峙していた小幡国峰城が険しい岩根の山に拠っていたのと好対照でした。 箕輪城跡の探訪記録 |
|