弥吉ころばしの急登が緩むのと同時にまわりの樹高が低くなって一気に視界が開けた。
すぐ前の谷向いは昨日登り損ねた小東岳で、その左手に糸岳、さらに半月前に登ったばかりの仙台神室岳から最上神室を経て蔵王本峰、南蔵王への連なり。
山形盆地を覆っている雲海の向こう側には朝日連峰と月山が見えていた。