蔵王山(2008.8.1)

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☆地形図(2万5千分1): 蔵王山(仙台12号-1)、不忘山(仙台12号-2)、遠刈田(仙台8号-3)、
                                   白石(仙台8号-4)
☆まえがき
    昔いた会社のスキークラブでは1月のドッコ沼山の家と3月の八方尾根を定番にしていた。
モンスターの異名をもつ樹氷が林立する積雪期の蔵王の冬景色はお馴染みだが無雪期にはどんな姿なのだろうか?
東北の山ではもっとも観光地化が進んだ山のひとつではあろうが、大いに興味があった。

蔵王熊野岳から北方への展望  
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☆行動記録とルートの状況
<タイム記録>

    山形駅[8:40]=(山交バス)=[9:17]蔵王温泉[9:40]=(中央ロープウエイ)=[9:47]鳥兜山頂駅(9:55)-樹氷の家(10:20)-ザンゲ坂リフト終点(10:55/11:00)-地蔵山鞍部(11:30/40)-熊野岳避難小屋(12:30)-熊野岳(12:40/50)-熊野岳避難小屋(13:00)-刈田岳レストハウス(13:40/14:20)-(14:50)刈田駐車場[15:30]=(無料シャトルバス)=[15:57]蔵王坊平{ペンション}

◆時間的な余裕がタップリあったので、ホテルの朝食をユックリ食べ、十分食休みをしたあと駅前のターミナルに行き、蔵王温泉行きバスで山に向かった。

  蔵王温泉から山上へは、3本のロープウエイが架かっている。
バスターミナルから東へ5分ほどの所から出ている中央ロープウエイでドッコ沼上のトリカブト山肩に上がった。

  山上駅から出た所はドッコ沼ゲレンデの頂上で、滑走バーンの下にロッジが見えた。
昔、ドッコ沼山の家の中二階のような部屋に大勢で雑魚寝をした記憶がある。
それから40何年か経つ間に建て替えられ、大きく立派な建物がならんでいた。

  池まで降りていってみようかとも思ったが空模様がもうひとつなのが気になったので、先に進むことにした。

  鳥兜山頂上の展望台から降りるとすぐに車道に出たが、そのすぐ先の向かい側に遊歩道入口があった。

  林の中15分ほど歩くと広場に出た。
向かい側に大きな山上ホテルがあった。
樹氷の家と言う名のホテルで、建物の前の広場では林間学校の小学生達がポスターを描いていた。

 

  この先のザンゲ坂へはどう行けばよいか、だだっ広く切り開かれたスキー場になっていて分かり難かった。
道端に立っていた人に聞いて先に進んだ。

  少し回り道になっている滑走バーンを登ったが風通しが悪く、草いきれで暑苦しかった。

  リフト降り場の裏手の草原にザックを下ろして小休止した。
すぐ横の空をロープウエイが走っていた。

  ザンゲ坂は真っ直ぐでかなり広い切り開きになっていた。
昔はほとんど切り開きと言えるほどの広さがなく、樹氷の間をすり抜けて滑っていたような気がする。

  登りの途中、上から降りてきた中年夫婦とすれ違った。
こんな暑い中よく歩いて登りますねぇと笑われ、いい年をして馬鹿なことをしているのかなぁ、と思った。


  ザンゲ坂を登りきって右横の熊笹の間に入り、僅か進んだら地蔵山の鞍部に出た。

  ロープウエイの山頂駅があり、広く平坦な鞍部の奥手に大きな石地蔵が座っている。
小学生か幼稚園か、大勢の子供達がやってきたので場所を空けるために退散した。


地蔵山への登り口に近に所にある野外ベンチで休憩した。
ロープウエイで上がってくる人が多いが爽やかな風が吹き渡って気持ちが良かった。


  ワサ小屋跡を経て熊野岳に向かう道は木道になっていた。
緩やかな登りの道端に咲く山の花を見ながら進んで稜線に上がると流れる霧の後から熊野岳が姿を現した。
 

  熊野岳への登路は、直接頂上に向かうのと、頂上裏側の避難小屋を回ってゆくのと、途中でふた手に分かれていた。

  様子が分からないが、少しでも楽な方をと、左手の巻き道を進んだら頂上の先にある避難小屋まで行った所からかなり後戻りして頂上へ、ということになった。


  頂上は石祠と祈祷小屋のあるだだっ広い所だった。
刈田岳頂上直下まで車で上がれるので大勢がそこから来て休んでいた。
蔵王熊野岳頂上   (画像をクリックすると拡大します)
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  頂上と避難小屋の間に広がっている砂礫の広場にコマクサの大群落があった。
人の手に助けられて増えたのかも知れないが、株が大きく、花の数と大きさはこれまで見たうちで一番だった。

  避難小屋まで戻って右下の足場の悪い斜面を下った。

  お釜の縁に向かう所では、行く手の霧の中に明日歩く南蔵王の頂稜が見え隠れしていた。
一番高いところは熊野岳とあまり違わないようで明日はあそこを越してゆくのか、と思うと少々げんなりした。
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  お釜の縁からは緑色の水を湛えた噴火口が見えた。
地球の力を感じさせる眺めだ。

 お釜の写真を撮ったあと刈田岳の方に向かう道は歩いている人が多く、頻繁にすれ違った。
前後して歩いている老夫婦は関西弁だった。

  関西方面から見ればずいぶん遠く、景色も珍しいからパックツアーで来る人達が多いのかもしれない。
 
  刈田岳のレストハウスが近付いてきた。
山の天辺に巨大な建物があったので驚いた。
南蔵王縦走の計画では、はじめ、この建物裏側2階にある避難部屋に泊まることも考えたのだが、朝登山口まで送迎してくれる泊まり場が坊平に見つかったのでそちらを選んだ。

  レストハウス2階の展望レストランに上がって中華蕎麦を食べた。
暑い中を歩いて大分脱水したようで幾分吐き気を感じ、全部は食べられなかった。
 

  長い時間をレストランで過ごしたあとバス乗り場に向かった。
午前と午後に1便、上山と刈田リフト駐車場との間に無料のシャトルバスが運行されている。
刈田岳南面を下って南蔵王縦走路入口を確認して行くことも考えていが、レストハウス前駐車場にいた案内係は宮城県の人で山形県側のことは知らず、バス乗り場の所在も要領を得なかった。

  霧が出ていてまわりの地形が分からないこともあったので、間違いをなくそうと、刈田リフト降り場まで引き返して道を聞き、駐車場に下った。

  発車時刻まで1時間近くあったがバスは、リフト乗り場のすぐ下に停まっていた。
中ではドライバーが昼寝をしていた。

  宿に教わった通り、坊平のペンションで途中停車するよう頼んで止まってもらった。

  ペンションはスキー場のど真ん中にあった。
八角形をふたつ組み合わせたユニークな建物だった。
眺めがよく、食事もとても美味しく、快適な泊まり場だった。
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☆おわりに
      山形市内のホテルを起点として、バスとロープウエイでドッコ沼付近に上がり、ザンゲ坂、熊野岳、刈田岳を歩いて見た。
前の日よりさらに雲と霧が多く、はかばかしい展望は得られなったが、ゆったり穏やかな山上の散策を楽しんだ。

  GPS はセットでミスをしたらしく、トラックが取れなかった。