新潟の山[1]、巻-稲島-角田山-角田岬-巻-弥彦(2008.6.15) |
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☆まえがき 角田山(482)は佐渡と向かい合わせの海岸近くにある山で、早春に咲く雪割草やカタクリが有名だ。 遠くて低い山なのでわざわざ出かけるのはちょっと、ということで、足を向けずにいたのだが、佐渡に行く途中で立ち寄るには都合のよい場所にある。 角田岬へ下れば海越しに佐渡島とのご対面もできる。 佐渡に渡る前にこの山に登って行くことにした。 |
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☆行動記録とルートの状況 早朝家を出て東京駅に行き、上越新幹線で燕三条に向かった。 燕三条から先はノンビリローカル線の旅で、弥彦線で吉田駅に行き、さらに越後線に乗り継いで巻駅についた。 3月末から10月末までの土日休日には、巻駅前から角田山周遊バスが運行されている。 3時間ほどで登り降りできる小さな山だから着替えや茶道具は必要ない。 駅の待合室で必要な物だけをサブザックザックに移し、そのほかが入ったザックは駅に預けた。 この駅にはコインロッカーがないが、預かり料410円で事務室で預かってもらえる。 バスが来るまでの待ち時間に駅前通りを歩いてみた。 前前日から夏祭りで、横丁に露天の店が並んでいた。 10時半に出るバスの時間が近付くと新潟からの急行バスで数人のハイカーが来た。 |
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稲島(トウジマ)ルートは頂上への最短ルートで、登山口は駅から最も近いところにある。 ここでバスから降りたのはひとりだった。 入口の角には、角田山登山コースの大きな地図看板と電話ボックスがある。 歩き出すとすぐ、右手に広い駐車場があって何台もの車が停めてあった。 |
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歩き出して10分ほどのところに "羽黒山、月山、湯殿山" と記した石碑があった。 |
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そのすぐ先には大杉が立ち、稲島薬師堂の社殿があった。 |
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登山口から30分ほど登って谷の詰めが近付いた所に東屋があった。 身体が温まって汗が流れ始めていたので東屋に入って休憩し、ベストを脱いだ。 |
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東屋から歩き出すとすぐ右手の急な斜面に取り付き、ジグザグの階段道を登るようになった。 暫くのあいだ、小さな山に似合わぬ急登が続いたが、やがて尾根の背に登り上げると右下に海が見えた。 休憩用のベンチが設けてあったが立ち止まって写真を撮っただけで通り過ぎた。 |
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ボツボツ登り続けてゆくと徐々に傾斜が緩み、やがてパァッとまわりが開けた。 広場の奥手に観音堂があり、下手には野外ベンチが並んでいた。 空いているベンチにザックを下ろして座ると目の前は広大な越後平野だった。 平野の奥の方には山並が見えた。 雲と霞のため判然とはしなかったが、左から順に朝日、飯豊、五頭、粟ヶ岳、守門あたりのようだった。 |
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秋の大気が澄む時期に双眼鏡を持って来れば、素晴らしい山岳展望が楽しめるに違いないと思った。 しばらく景色を楽しんだあと、頂上に向かった。 平坦な道で雪融けの泥濘対策か、木道が設置してあった。 |
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10分足らずで頂上広場に着いた。 回りが木立に囲まれているので展望はないが広々と明るく、公園のような雰囲気だった。 意外に大勢のハイカーが来ているのにビックリした。 この前行った丹沢の大山よりずっと多い。 登頂ルートが4本もあるので、それぞれから登った人が集まるせいだろうか? |
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人のいない木陰に入ってしばらく休んだあと、広場の中をひと回りしてみた。 広場を縦断する道に面して銅像が2基並んでいる。 何のためだったか、長者塚という土盛りがあった。 広場の西隅にある小屋は、地元の山好きグループが建て、維持していることを示すプレートと "健養亭" と書いた看板が入り口の上に掲げてあった。 |
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角田岬への下山路の始まりはいたって穏やかだった。 暫く歩いたところに老朽化した小屋があった。 三望平と言うらしい。 その先で、五ヶ峠・浦浜コースを分けると尾根が細まり、しっかりした下りになった。 |
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やがて林の上に海の青が見え、時々風に乗って潮騒の音が聞こえてくるようになった。 ひと昔前、バテバテになりながらも歩き切った栂海新道のフィナーレを思い出した。 樹木の切れた所があって角田岬に立つ灯台と、角田の浜とが見えた。 |
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尾根の下部は岩が剥きだしになっている所が多くなる。 危なそうな所には鎖の手摺が設けられ、安全がはかられていた。 |
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尾根の末端に立つ灯台に近付くとその先の海の彼方に佐渡島が大きく横たわって見えた。 |
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早い時間に灯台まで下りつけたのでテラスでノンビリ休憩した。 左手に岬の突端があった。 今は国道のトンネルが岬を貫いているから何ともないが、昔はどうやってここを越していたのだろうか、と思うような険しい磯で、親不知のミニ版だと思った。 長休みを終えたあと、手摺つきの急な階段から波打ち際に下りた。 |
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3時のバスまでかなり時間があるので1km ほどの所にある妙光寺に行ってみようと思った。 浜から上がった道に面した茶店でアイスクリームを買い、お店の人に道を尋ねた。 寺への道に入ったところを右に逸れて行ったら七面大明神教化の岩穴と呼ばれる大岩窟があった。 ここに居た悪蛇は佐渡に流される途中の日蓮聖人に教化され、身延の七面山の鎮守になったと言う。 |
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もとに戻って妙光寺に向かったが、寺の手前に熊野神社があったのでそちらにも参詣した。 妙光寺は日蓮宗の大きな寺で、境内には美しい庭園があった。 睡蓮が咲く池の向かいに立っているミニサイズの三重塔が美しかった。 |
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☆あとがき 角田山は短時間で登降できる小さな山だが、ロケーションに恵まれ、素晴らしい展望が楽しめる。 山麓には北国街道の史跡が残り、温泉もある。 炎暑の時季以外ならいつでも楽しめそうだが、早春の花の季節が最高と思われる。 また機会を見つけて再訪したいと思った。 良い山にめぐり逢え、大満足で巻駅に戻った。 吉田駅から弥彦へは乗り継ぎが不便だったのでタクシーで移動した。 弥彦の宿舎は観光案内所が紹介してくれた駅に近い温泉旅館だった、 こじんまりした宿だったが、ほかに客がなく、いたって静かな宿りができた。 |
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